ラッパ屋と出会って10年という節目の年にラッパ屋で一年を締め括れるということはこの上ない幸せです!!


ってことで、ラッパ屋「YMO~やっとモテたオヤジ~」東京千秋楽(北九州芸術劇場にて3公演を残しています)。

ワタクシは2回目の観劇。今回の主役は俵木さん、なんと初主役なんですねぇ~。まぁ、公演によっては誰が主役だったかわからないようなこともあるんですが、今回に限って言えば間違いなく主役は俵木さんでした。俵木さんはラッパ屋ではオヤジ二番手くらいのポジションなんです(一番手ははじめさん)。で、ちょっと青くさいところがあるオヤジっていう感じ。それは真ん中に来ても変わらなかった。この辺りがやっぱり究極のアテガキなんだなぁと。俵木さんのオヤジはしみじみと味わい深い。

そういえば、ふと思ったんですがラッパ屋ってアドリブってない気がする。いや、私が気付いてないだけかもしれないけど。でも正直そんなもの必要ないんだな、きっと。だって鈴木氏のセリフがラッパ屋俳優の声に乗るだけで、動きに乗るだけでオカシイんだもの。あっ、でも密かに前回観た時より今回の方が木村さん(北村常務)の演技が濃くなってるような気がした。
最初におぼろげにあらすじを聞いた時、相手役は岩橋さんかなぁと思ったんだけど、三鴨さんでした。で、どうして岩橋さんじゃなくて、三鴨さんだったんだろうと思ったけど、実際に観たら納得でした。岩橋さんだと美人過ぎるか、それに岩橋さんだと「波が合わない」かも?考えてみれば岩橋さんはあまりオヤジ(キャラ)の相手役にはならない。あー、「裸でスキップ」の時のはじめさんくらいかー。その点、やっぱり適材適所ってことなんだろうなぁ。
あっ、でも今回の岩橋さんの相手は順ちゃんで、そこはちょっと新鮮だった。順ちゃんは大草さん、三鴨さん、岩橋さんと三女優の相手役を務めたことになり、あとは弘中さんの相手役になればラッパ屋女優陣コンプリートだね(ってなんの話やねん?)。
「銀座線ってのは独特のにおいがするな」っていうセリフの時の笑いが大きかったんだけれど、みなさん心当たりがあるのでしょうか?
一つ面白いことがあった。西島さん(はじめさん)は奥さんが怖いから、ベロンベロンに酔っぱらっていても、家に近づくとしゃんとするっていうシーンで自然発生的に拍手が起きたんです。これはちょっとびっくりした。今回一番の大爆笑を誘ったのはやっぱりはじめさんで、私が大好きな可愛い動きは健在。酔っぱらって寝てしまった西島さんと理恵さん(三鴨さん)を両脇に抱えて歩かせてタクシーに乗せる加藤さん(俵木さん)、この時西島さんが加藤さんの○首の辺りをぐるぐるしていて、「母親じゃねぇぞ」とか加藤さんに言われてるのが面白すぎる。でもこの西島さんが後半ちょっと嫌な感じになるのが新鮮(はじめさんがちょっと嫌な感じっていうのが、「あしたのニュース」も悪魔の顔っていうのはあったけど・・・笑)。あともういっこ、はじめさんの爆笑シーンは、中川常務とは会社の野球部の監督と選手の関係でもあったので、中川さんに説教(?)されるとそれだけで泣いてしまうっていう。文字で書くとあんまり伝わらないけど(苦笑)
今回はとにかくサラリーマンの話なので、いつも以上に「会社」の機微あれこれが出て来て、渦中にいる人たちはツボに嵌るセリフがいっぱいあったのではないかなぁ?
「会社なんてのはほとんど『どっちでもいいこと』で出来てるんだ」とか、「会社は『気配』」だとか、「魑魅魍魎の世界だな、重役室ってのは」とか。

関係者集合シーンは凄かったなぁー。ああいう風に持っていくのが鈴木氏の凄いところだ。
最近ちょっと気付いたことがある。私、熊川さんのファンかも?福本さんとはじめさん(というかこのコンビ)が好きなので、今まで隠れてたのかもしれない。俵木さんはオヤジ二番手だけど、熊川さんはもっと脇であんまり本筋に絡まないんだけど、でも妙にかっこいいっていう。今回の役はいつも以上にかっこよくて、しかも何か妙に印象に残る。最後の「一歩でも二歩でも本当の人生に踏み出せたんだから」っていうところで泣きました。「やっとモテやがって」って、タイトルのセリフも江島さん(熊川さん)だし。あと、「こんなに心配してくれる人たちがいるんだから、会社やめても幸せだよな」というところもだ。今回一番泣きツボついてくるのが江島さんだったかも。それで最後、新潟行っちゃうんだもん、かっこよすぎる!あと、そんな風に脇キャラだから、あまり女優陣と相手役として絡むことってない熊川さん(あっても大草さん)。それが「あしたのニュース」の時、珍しく三鴨さんと恋愛モードで絡んだ。今回は(家族側と会社側で言えば)会社側だから、恋愛には絡まない役なのに理恵さんと会話したりすると、なんか二人の間に何かありそうな感じに見えるのは不思議だ(笑)、いや、私が勝手にそう思っちゃっただけなんだけど。
今回はセットがいつもと違う感じです。ラッパ屋じゃないみたい(笑)段差がいっぱいあって煉瓦(?)が組んであるんだけど、町になったり、部屋になったり、一番驚いたのは最後の出棺の時に出てきたやつ。あんなところから~って。円形の中に文字が書いてあって、「METRO」とか「ROOM」とか「TOWN」とか。ライトがついた場所にいる設定になる。一つ「WHERE?」っていうのがあって、何だろうと思っていたら、最後のシーンでライトがつきました。場所としては告別式会場ってことなんだろうけど、加藤さんは煙になって「のぼってく」ので、「WHERE?」なのかなと。
カーテンコールではじめさんから挨拶。「無事千秋楽を迎えることが出来ました」って言ったところでまばらな拍手。はじめさん、思わず「(拍手するの、しないの)どっち?」って言ってた。それで場内拍手。そのあと来年の「凄い金魚」の告知で、公演が決まっているのにまだ決まってないみたいな微妙なニュアンスになってしまい、言い直してたり。あと「若い3人の客演を迎えて」と言うはじめさんの言葉に三鴨さんが「うんうん、確かに若いよ」みたいな反応をしていたのが密かに笑えました。


・今回の旬ネタ。北村常務「灰皿でテキーラ飲まされたり」。

・三田村くん(中野くん役名)の動きが前回よりちょっと派手になってた気がする。

・福本さん、「子ども手当」もらってる役はちょっと新鮮かな?くらっち(福本さん役名)の立場っていうか、気の毒だけど笑える。

・宇納さんは前回お休みだったので、登場シーン(健康診断待ちシーン)で思わず「お久しぶり」と心で呟きました(笑)ブログを観たらブログを書くのは「ブラジル」以来と。

・岩橋さんはキャラを確立したなぁー。なんかあのほぼノリっていうか雰囲気で生きてる感じが(笑)


とりあえずワケわからなくなってきたので、人物紹介でもしてみる(苦笑)


加藤宏和・・・56歳、営業部長。バツイチ、独身。定年まであと4年。

西島洋一・・・56歳、加藤の同期の営業部長。既婚。恐妻家。社内の野球部で監督だった中川の子分。


牟田理恵子・・・41歳、派遣OL。派遣の契約はあと4ヶ月。・大学時代はバンドのボーカル。

倉田・・・理恵子の大学の同級生。大学時代のバンドではギター担当。子ども二人の既婚者。理恵子の元彼。


谷口友子・・・33歳。加藤と清美の娘。理恵子の大学の後輩。現在はグルメ紙のライター。

三田村リョウ(名前の文字不明)・・・27歳、友子の彼氏。IT関係。


谷口清美・・・加藤の元妻。保険の外交員。

真田ケイシ(名前の文字不明)・・・清美の彼。プロポーズ済。莫大な父の遺産を相続。カルチャースクールの講師。


北村・・・常務。中川と同期で副社長レースのライバル。部長たちからの密かに「ハブ」と呼ばれている。

中川・・・常務。北村の同期でライバル。社内の野球部で監督、4番でエース。


江島・・・56歳。加藤と西島の同期。北村派と中川派のどっちにつくか様子を窺っている。

前田・・・会社近くにある立ち飲み屋の店員。脱サラ組だが、やめて8年たっているので、会社の機微に疎い。


11月新作だって!!→ラッパ屋公式ブログ(中野くん記事)