あらすじなど http://ameblo.jp/pikari-honma/entry-11929338577.html
第1回の掲載 http://ameblo.jp/pikari-honma/entry-11929795015.html
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●自己紹介の続き
自己紹介のトップバッターは遠藤だった。遠藤の下の名前は「ひろと」で、最初のうちは「ひろ」と呼ばれていたのだが、ひょろひょろとした細長い体型から、「ひょろ」と呼ばれるようになった。
そんなひょろが「事業で成功して、首都高速をベンツで走っている」と自己紹介したときには、皆で笑ってしまった。車を操ると言うより、車に操られていそうな遠藤がベンツに乗っているところを想像すると、あまりに現実とかけ離れていた気がしたからだ。
しかし、先生の「皆さん。人の夢を笑わないでください。あなた方も大きな夢をかなえた成功者です。成功者として気品のある態度でいてください。成功者はへらへら笑って人の話を聞いたり、肘をついて人の話を聞いたりはしません」の言葉に皆が姿勢を正した。
始めのうちは恥ずかしがっていたが、一人また一人と自己紹介していくと、自己紹介する側も慣れてきて、本当の成功者に見えてきたし、そんな豊かな自己紹介を聞いている僕自身も、なんだか本当に成功者クラブの一員になった気がした。とうとう僕の番が来た。緊張しながらも、成功した自分になりきることに徹した。
「佳川光一と申します。33歳です。私は2年前に本を書き、その本が世界中で売れ、全世界で5千万部を超える世界記録を樹立しました。私の家は、見渡す限りが敷地で、門から玄関まで車で10分かかります。庭には屋外プールや露天風呂、噴水、公園もあります。1年中花が咲き乱れ、匂いも素晴らしく、楽園のようです。高台にある我が家からの夜景は息を飲むほどで、露天風呂に入りながら、その夜景を楽しむことができます。家の中には100程の部屋があり、世界中から大切な友人を招いたりします。ふかふかの絨毯が敷き詰められ、どこででも横になって眠りたいほどです。夏は涼しく、冬は暖かな家です。天井は高く、家中どこにいても陽の光が明るく差し込み、気持ちよく暮らしています。10畳ほどあるトイレがいくつもあり、白色を基調に明るく清潔で、良い香りがします。ジャグジーやサウナにいつでも入ることができ、リフレッシュできます。食事は、専属の三ツ星シェフが腕をふるってくれ、ゆっくりと味わいながら食事を楽しんでいます。最高の執事さんとお手伝いさんが家事を仕切ってくれ、私たち家族は至福の時間を過ごすことができます。私たち家族は、政治、経済、学校のこと、家のこと、勉強のこと、将来のこと、色んなことを話し合い、とても仲がよく、お互いを尊敬しあい、愛に満ちた生活を送っています。休みになると、家族で世界中を旅行します。先日はフランスに2週間行ってきました。私はお金のために働くということから卒業し、お金は次から次ぎに湧き出てくるので、いつでも好きな時に好きな所に行くことができます」
ちなみに、現在のひょろは、相変わらずひょろひょろと細長いままだが、優良な顧客を相手に、ベンツを始めとする高級外車を販売する会社の社長として、お抱えの運転手が運転する大好きなベンツに乗って、豊かな日々を送っている。
