小学校2年生の頃、私はある事件に巻き込まれました

ある日曜日、私トキタは仲のいい男友達のAとBと一緒に、Bの家で遊ぶことになりました。

Bの家にはゲームやゲームのグッズなどがたくさんあり

それらを見たりゲームをしたりして遊んでその日は解散しました。

小学生らしいような、楽しい1日だったね～で終わりかと思いきや。

次の日の月曜日、放課後に学校で先生に呼び出されました。

私とAとBを呼び出した先生が言いました。

「昨日、Bくんの家のゲームのカセットがトキタさんとAくんと遊んだ後になくなったんだって。何か知らないかな？」

突然言われたことに疑問と困惑を浮かべながら「分からない」と答えました。

そうしていると、Aがいきなり声を上げました。

「トキタがとった所をみた　トキタが泥棒した」

ゲームのカセットがなくなったことを聞かれて頭が混乱しているところに、更に爆弾投下です。

私は身の潔白を証明したいところですが、「やってない証拠」を上げるのは不可能です。

突然に向けられた悪意に、私は泣きながら否定しました。

「とってない。そんなことするわけない」

「でもやったじゃん」

「やってない」

しょうがない。小学2年生です。感情が先行するばかりで、相手の矛盾点を突くこともできません。

その日の議論は平行線となり、先生は3人を解散させました。

次の日の放課後も先生に呼び出されました。

先生に集められた3人の中から、唐突に声が上がりました。

Aです。

「昨日、トキタの自転車のかごにBのカセットが入ってた」

「それを見つけたからBにかえしておいた」

なくなったカセットはGBAのものなので非常に小さいため、網目が大きめな私の自転車のかごに入れているとすぐに下に落ちてしまいます。

私はその矛盾点を、今度はちゃんと発言しました。

「私がとったんだとしたら自転車のかごにいれておくはずがない」とも言いたかったのですが、それだと仮定といえども私がとったことを前提に話すことになるのが嫌でした。

先生が互いの言い分を紙にメモしています。

きっともうこの時点で、先生は誰が犯人かということが分かっていたんだと思いますが、決めつけることはしていませんでした。

嘘をついて誰かを犯人にしたてあげようとしてまで自分の間違いを認めたくない相手に、その罪に目を向けさせることはできません。

結局その話は、「ゲームのカセットがBくんに戻ったから終わり」ということになりました。

きっとBも先生も、そして私も。真相がどうだったかは分かってる。

私は議論の間、ずっと「私がやったんじゃありません」と泣きながら何度も言って

先生は「あなたがやったなんて言ってないでしょう」と何度も言いました。

謂れのない事で疑いや悪意の目を向けられるのはとてもつらいことです。

どうして何もしてない私がこんな目に遭わなきゃいけないんだろう。

悪いことをした相手は何ともないような顔で、無実の人間を悪人に仕立て上げるのです。

私が受けた仕打ちは、本当は真犯人の誰かが受けるはずだったものでした。

私はそれが許せませんでしたが、かといってどうすることもできず、泣き寝入りしかないのでした。

議論は中断しましたが、決してこれで「自分がした行い」がなくなったわけではありません

誰かがBの部屋からゲームを盗み、それがバレそうになったら他の人間に罪をなすりつけようとした。

その事実は永遠に残るのです。

私はこれらの出来事を反面教師とし、同じことを自分がしないように生きるしかありません。

私が受けた理不尽を、私の手で他の人に与えてしまってはいけないのです。

生きていればこんなこともありますよね。

私はそのたびに憤りを感じていますが、かといってどうすることもしていません。

嘘をついてまで自分が助かりたい人を

どん底に突き落とすことが怖いからです。

そんな相手からは、徹底的に離れるのが一番だと思います。

もっとみんなが幸せになれるような案があれば教えてください。

私が小学生の時に同級生の友達に泥棒の濡れ衣を着せられた話