息子は在職中はお腹の中で
出産後は山や谷を共に乗り越えた
戦友のような存在です。

そして息子は染色体異常の一つ
13トリソミー症候群です。

障害があっても育てていける
そう思っていたのに
私を待っていたのは葛藤の連続でした。

理想を捨てるのはとても難しい
だけど幸せを感じるには
自分の「こころ次第」だということを
この生活を通じて感じる事もできました。

このブログでは息子と親(主に母)のこれまで
心の揺れ動きなどを思い出しながら
書いていっています。

なんとなくでも読んでいただけると

嬉しいです！

　緊急帝王切開から息子だけ別病院に搬送→入院→挿管→抜管→抱っこ→カンガルーケアばたばたと事態は動きました。

　ことの流れ自体は良い方向に向かっていっているように感じたので、私はいつも後ろ向きというわけではありませんでした。

　よい方の『もしも』を考えていました。

　息子の入院中はこまめに主治医からの説明がありました。それは入院初期に、よりこまめにあって、感情論ではなく、あくまでも淡々と事実を説明されました。

　伝えられるのは今の症状。詳しくは画像診断や血液検査を元に話されるもの。

　これは紛れもない事実です。

投薬や輸血で対処して、それが改善するかどうか。

　こちらの受け止め方として難しかったのは『13トリソミー』のこと。

　息子は入院して数日後の採血で染色体異常の検査を検査センターに依頼して、十日ほどで検査結果が出ました。

　数々の特徴から先生は当初より13トリソミーだろうと考え、私たちに説明をしてくれましたが、いよいよ確定したとなり、改めて説明を受けました。

　13トリソミーと言っても、奇形や疾患、障害や知的障害の程度は個人差があり、時が経たなければどうなるか分からないことがほとんどで…。

　なので先生も一般的な説明をするしかないのでした。

　先生は検査結果が書かれた紙を私たち夫婦に見せながら、順番に説明を行います。

先生「こちらが、息子さんの染色体の検査結果です。ご覧のように13番目の染色体が三本ある状態です。」

たしかに。

あぁ間違いないんだな…。

以下、先生が用意してくれた説明用紙より

13トリソミーとは？
　13番染色体が通常よりも1本多く、3本ある染色体異常です。成長や発達の遅れが見られ、さまざまな合併症を伴います。

頻度は？
　5,000〜12,000人に1人の頻度で出生します。

どうして起こるの？
　基本的に妊娠中の出来事やご両親の遺伝とは関係ない場合が多いです。
起こり方が大きく分けて2種類あります。
①不分離（80%）:精子や卵子が作られる際に、不分離と言われる現象が突然変異のため起きます。
②転座型（20%）:転座とは、13番染色体が他の番の染色体と一部が入れ替わった状態です。約半数で、ご両親のいずれかが同じ染色体構造をもっている場合があります。
③モザイク型（数%）:染色体数の異なる細胞が体の中に混在する状態

症状、合併症は？
　よくみられる症状や体の特徴です。

頭、顔、首…全前脳胞症、小頭症、頭皮・頭蓋骨欠損、小眼球症などの目の問題、口唇口蓋裂、耳の変形や低い位置についている

胸、腹…先天性心疾患（心室中隔欠損、心房中隔欠損、両大血管右室起始、動脈管開存など）、臍帯ヘルニア、鼠径ヘルニア、小陰茎、停留精巣

手足…筋肉の緊張が強い、凸型の足底、踵の後ろの突出、股関節の開きが小さい、手指の曲がり・重なり、多指症

その他…腎泌尿器疾患（多嚢胞腎など）、内分泌疾患（甲状腺機能低下症など）、発育発達の遅れ、無呼吸発作、けいれん発作

見通しは？
　生命予後は厳しく、過去の海外の報告では１歳時の生存率は6〜8%で、生存日数の平均値は7〜10日とされています。死亡原因は無呼吸、新生児仮死、先天性心疾患による心不全、感染症、呼吸不全などが挙げられます。

当科でのこれまでの症例
　1986年から2015年の30年間に当院に入院した13トリソミーの児は14人でした。先天性心疾患、または口唇裂、口蓋裂の合併を最も多く認め、それぞれ13人（93%）に認めました。退院できた児は6人（42%）で、退院後、現在まで生存されているのは3人（21%）です。
　3人とも、それぞれ、胃管や在宅酸素療法、気管切開、人工呼吸器療法などの治療を必要とされ、てんかんに対しててんかん薬の内服を必要とされています。

どんな治療をしているの？
　当院では退院してご家族と一緒に自宅で過ごすことを目標に、様々な治療を行っています。
　まず、哺乳が上手でない場合は経管栄養といって胃に管を入れて栄養をとります。呼吸障害に対しては経鼻的持続陽圧換気（CPAP）や気管挿管による人工呼吸管理、気管切開を行う場合があります。
　手術が必要な合併症に対しては、手術に伴う危険性をご理解頂いたうえで、行う場合もあります。
　また、自宅に退院するにあたり酸素投与や口腔内の吸引、経管栄養を要する場合は、ご家族にも手技を覚えていただいています。
　全ての治療は、児の状態をふまえ、ご家族と相談のうえ決定し行います

　なるほど、30年で14人

今も生きているのは3人…

少ないな…

　正直な感想はそんな感じでした。

　でもその少ない確率の中に息子は入るんじゃないか？私は希望を捨てることができませんでした。

　なんとか先生から『息子さんはたぶん大丈夫ですよ。』と言ってほしくて、いくつか質問をしたと思います。

　だって目の前で生きているんだから。

　ただ、私たちの目には落ち着いて見えても、医療スタッフにとってはまだまだ油断できない状態のようで、家族への説明の用紙の終わりに『急変の可能性、急変時の対応に関して』と必ず添えられているのですが、

・依然として急変の可能性は低くない

・急変時（心肺停止）には一般的な蘇生処置を行う方針ですが、治療への反応がなく、それ以上の処置継続に医学的な根拠がないと担当医師が判断しだ場合は、ご両親の到着を待たずに、処置を終了します。

と書いてあり、どんな説明の後でも最後にこの確認をされるので、どんなに頑張っても心を折られるようでした。

　そうは言っても諦めきれるわけもなく、この時の私の日記にはこうありました。

6/29(木)くもり　（朝はすこしはれ）
※検査結果を聞いた翌日

　息子の検査結果が出て、13トリソミーであることが確定しました。ある程度覚悟していたので、すぐには泣きませんでした。
息子を見ていると、もしもなんて考えられません。
　今を懸命に生きている息子が、この先退院して一緒に暮らすため、私たちが覚えることがいっぱいです。遠い未来のことでなく、目先の目標に頑張るしかない！

　日記の文面を見ると、思った以上に前向きにがんばってるな！私！

　自分の世界にいれば平気だったのかな？

　今回はえらく長々となってしまって。

申し訳ないです

　気長に読んでくださった方、ありがとう

ありがとうございます！

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