小林重予さんは札幌に生まれ、造形作家として札幌ドームやJR札幌ステラプレイス、STV社屋外壁などに作品を残しました。
最近、彼女が2017年に59歳で亡くなっていたことを知りました。
拡張型心筋症を患い、医師から立体作品の制作を禁止されたそうですが、ライフワークとも言える「日記画」は、最期まで続けていらしたそうです。
『想いの種』は、その「日記画」がベースになっています。
1日の出来事や想いを絵に描き、ちょっとした短い言葉を混ぜ込んだりして表現した「日記画」。。。
絵は、切手やリボン、布切れなどいろいろなものをコラージュしたりして、バラエティに富んだ画風が面白いのですー
あとから文章を添えてブログに載せたりもしていました。
誰にでもできそうだけれど、小林さんの色彩センスは抜群だし、自由な発想と表現は、そうそう簡単には真似できるはずもなく。。。
だけどやってみたいと思わせる、誘い上手なお方のよう
日々、素直に自分の感情に目を向け、心の中で種を育むような独自の世界観をお持ちだった小林さんの作品は、どれもみんな好きな感じで、私はすっかりハマっています
明るい色彩が多く、元気になれる楽しい画がたくさんあって、毒やおとぼけのスパイスもいいです
でも、さすがに入院中の「日記画」はこちらもつらくなりました。
ハイリスクな心臓の手術や、度重なる入院。
「15ヶ月連続入院」って、文字もありましたし、不安や悲しみもそのまま見えました
もう、新しい作品を見ることはできませんが、自分の心と誠実に会話していたんだなぁと思わせる小林さんの作品集。
自分の感情と向き合うということ、思い出させてくれます
『鬼のいる庭』 詩 岡田哲也 画 小林重予
小林さんの絵に、詩人の岡田哲也さんが詩を添えた一冊。
往来葉書によって完成された一つ一つの作品は、お互いのインスピレーションによって造られたもの。
一見の価値ありです。
切手を貼った、宛名のある面も面白くて、むしろこっちの方が気に入ってしまったものもありました。
ずーっと観ていると、誰かにお便り出したくなります。
(私もお友達に、コラージュした封筒でお手紙出しました。)
詩人の言葉も沁みました。
「おっかなしい おっかなしい ちくん ちゅくん」
このフレーズ↑、頭に残ってしまっています
本当に、もう小林さんの作品が生まれないのは残念です。
私、レターセットと絵葉書持っていたのですが、レターセットは普通の紙じゃなくて(竹だったかな・・・忘れましたが)、その紙の手触りとかすごく好きで、大事に持っていました。
だけれど、もう残り少なくなってしまい・・・。
今頃元気でいらしてたら、面白いこと、びっくりすること、いろいろと考えていらしたんじゃないかと、ついつい思ってしまいます。
残り少ないレターセット大切にします
ありがとうございましたー