2019年1月5日朝、目覚めると小雨。山沿いは雪かと思う寒さ、身に染みる。

 昨日、36年間勤めた新聞社を辞めた。早期退職制度に手を上げた。

 無職となった朝に考えたことは、逮捕された時の新聞の扱いが、3段格から没になるだろうという安堵感。 なんとも卑小な感慨にふけり、罪悪感のない二度寝を満喫する。

 同僚らの会社アドレスに、お世話になりました、なるメールを送る。返事を書こうとした同期の友より「無効です」とはねられたとの連絡あり。わずか1日を境に、「京の冬のつとめて」に比す冷たさなり。 組織(システム)というものは。せめて「このメールは使われておりません」ぐらいにしてほしいのですがね。「無効か」とひとりごつ。これが、咳をしても一人の心境か。


 さはさりながら、大気から束縛、拘束、指示、命令、コンプライアンスの気配は消え、 部屋の中で深呼吸する息の白きことが清々しい。


 さて、ローマ神話に出てくるミネルバの梟となって、トワイライトゾーンへ飛び立つか。