こんにちは、豚袋ライトです。

今年のワタクシの音楽との付き合い方の方針のひとつに「60年代の開拓」があります。幅広い年代の音楽を聞いている雑食なワタクシですが、意外と聴いていない年代が60年代と90年代なんです。90年代はリアルタイムでしたが音楽から離れていましたので、結構後追いですが聴きあさりました。しかしながら60年代は、名盤と言われるものですら未だに聴いていないものも実は多いんです。発見の旅をするのにいい年代だなぁと思って、今年は60年代を少しずつ埋めていこうと年初に誓ったものでした。

そんな訳で今年に入って初めて聴いた60年代物でも…で、１３thフロア・エレベーターズをまずは行こうかと。

1966年という年は、世の中でサイケデリックというキーワードが出てきたはじめの頃らしいですね。ビートルズの来日、そしてサイケ始祖的アルバム「リボルバー」のリリース年です。豚は２ちゃいでした（笑）そして音楽で最初にサイケデリックという言葉をタイトルで使ったのが、このアルバムという事です。

タイトルが長いです「サイケデリック・サウンズ・オブ・ザ・サーティンス・フロア・エレベイターズ」。まずはこのアルバムジャケットが楽しいですよね、この時代でなかったらありえなかったデザイン。そして肝心のサウンドはどうなの、というところですがコレがなかなかイイんですよ！

13th Floor Elevators - Your Gonna Miss Me

60年代の独特の音の密度、ギターのプリミティヴな音、当時としては恐らくラウドであっただろうリズム。「シャウトするミック・ジャガー」といった感じのブルージー＆ソウルフル＆奇声なボーカル。そして全編を支配する「トクトクトクトク」という楽器とも効果音ともつかない奇妙で不思議な浮遊感音。(エレクトリック・ジャグ(壷）というらしく、動画で顔突っ込んでるバケツ状の楽器らしい・笑）

なかなかカッコイイじゃない。相当にアバンギャルドな音かと思っていましたが、意外に大人しいバンドサウンド。しかし今聴くと大人しく聞こえるけれど、これが40年以上前の音である事を考えたらやっぱりスゴイ！

13th Floor Elevators - You Don't Know

ボーカルでリーダーのロッキー･エリクソンはLSD真性ジャンキーで、最後は狂人の世界に行ってしまったらしい。そのくらいの人なので、サウンドがドロドロ、デロデロでビロンビロンなのは必然とすら思えます。マインド・トリップというのがドラッグの効果であるなら、このアルバムは間違いなくその産物でしょう。

また、荒削りでラウドなガレージサウンドの原点もここにあるような気がします。ストゥージズやＭＣ５によってガレージが開花する2年前。すなわちこの音はそのプロトタイプなのでしょう。

ちょっと鬱で粗削りで、音の隙間が心地よくて浮遊感と陶酔感満載のこのアルバム。ビーチボーイズの「ペット・サウンド」だったりビートルズの「サージェントペパーズ…」だったり、ドアーズだったりヴェルヴェッツだったり、サイケと呼ばれる人・アルバムは多くありますが、その多くは洗練されスタジオでの完成度を争ったものも多いような気がします。

このアルバムはそれらと比べロックオリエンテッドで、粗野で刹那的で本能的無計算さにより趣を異にしています。衝動主体型サイケデリックとでも申し上げましょうか、本当にジャンキーが作った音楽という気がします。

なかなかハマッてしまいました＾＾　セカンドも聴いてみようかという気になりますね。

このアルバムのラストナンバーで本日は締めようと思います。それでは、また。

The 13th Floor Elevators - Tried to Hide

THE 13TH FLOOR ELEVATORS / THE PSYCHEDELIC SOUND