こんばんは、豚袋ライトです。

久々のライト記事です、ってよりほとんど月間ブログなのでどの記事も久々なんですが＾＾；以前ボストンの記事を書きましたが、その時に「類似品」と言ってしまったバンドをとりあげようかと思います。

カンサスは正直、ワタクシの中ではそれほどにこだわるバンドではございません。(何て言い方だ！）ファンの方にとっては失礼な文章になるかもしれませんが、何卒ご容赦下さいませ。(先にペコリですm(_ _)m）ただ、前回記事でジャーニーやスティクスのように売れ線狙いに走っておかしくなってしまったバンドたちと「アメリカン・ハード・プログレ」の名の下に、十羽ひとからげにしてしまったような書き方をしてしまい、少しだけ罪悪感が残ってしまったのでちょっとだけフォローしてしまおうかと思った次第です（笑）

ボストンよりデビューが早くしかもプログレ色強いがゆえ、ボストンのフォロワーあるいは売れ線狙いというにはちょっとほど遠いかな、というのが正直なところで割と独特な路線であったなぁと振り返ることしきり。

カンサスを聴いたきっかけはやっぱり大ヒット曲となりました「すべては風の中に」でしょう。

Kansas - Dust in the wind

この曲を聴く限りはプログレ性は希薄で、アコースティックで美しい、そして寂寥感と情緒性漂うメロディーが非常に印象的で一発で気にいりました。（ギターで弾きやすかったというのもありますね＾＾)

この曲を聴いて俄然興味を持ってこの収録アルバム「暗黒への曳航」を聴きました。ところで「曳航」って読めますか？「えいこう」って読むのですよ、ちょっと勉強になりますね。意味は〔船が他の船や荷物を引いて航行すること。「客船を埠頭(ふとう)まで―する」[類語] 引っ張る〕らしい。

という事は、このアルバムの邦題は原題を何も汲み取っていないタイトルという事でなかなか素敵です。しかもタイトル曲は「帰らざる航海」と別の邦題を付けるチグハグな念の入れようで、これもかなり素敵（笑）当時の邦題担当者のセンスに拍手。ちょっと冒険物語を強調しすぎて見事に失敗しています。

kansas Point of know return

曲は素晴らしいのに日本で売れなかったのはこのレコード会社によるセンスなき邦題のせいではないでしょうか。ジャケットアートもありがちな「1.5流のプログレ」っぽいところがまたナイスな感じと思うのは私だけでしょうか。アルバムを通して聴くとなかなかプログレ臭が強い印象を受けるのではないかと思います。

カンサスはバンド構成が独特でした。ヴォーカル2人、ギター2人、キーボード2人とこれでもか！のツイン好き。そしてドラムス、ベース、ヴァイオリン。そう、ヴァイオリンが象徴的なバンドでありました。

サウンド的にはどことなく土臭いというかカントリーっぽいようないかにもアメリカンな感じ。ハイトーンのボーカルはさらにアメリカ的彩りを添えます。どことなく漂う哀愁は、欧州的なそれとは違う「大陸的哀愁」ともいうべき情緒感。しかしながら本当にダイナミックでドラマティカルな構築的サウンドは見事としかいいようがない。その世界観は独特でありながらスケールをもった、まさにプログレではないかと思います。

このアルバムのあと、ライブアルバムを出し、パフォーマンスの高さも証明しましたが、時代の流れはそのスケール感を「ダイナソー的なもの」にしてしまい、残念ながら衰退させていくこととなりました。しかしながら彼らのジョブは、ボストンとはまた違ったところで輝いていたと思います。

締めの曲はまた大仰な邦題の「神秘の肖像」という曲です。この曲を聴きながらお開きとしたいと思います。

それでは、また。

Kansas - Portrait (He Knew)

KANSAS / POINT OF KNOW RETURN (1977)