こんばんは、豚袋ライトです。

本日は自分の営業担当店舗の女性の結婚式に行ってまいりました。千葉みなと駅のすぐそばの式場でした。人の幸せそうな顔を見るのはやっぱり心地よいものです＾＾。最近の結婚式は演出が進化していますね。式から披露宴までビデオを回しているのですが、披露宴がお開きになった後に会場でもう当日の様子をダイジェストでしかも編集も完璧に作品として上映してくれたのには驚きました。デジタル技術の進化はこんなところにも生かされているのだなぁと妙に感心。

で、さわやかでこれから伸び行く新郎新婦に刺激されてか、おおらかな曲が聞きたくなりました。なんとなく思い出したように、本日はボストンの「幻想飛行」をとりあげようと思います。

ボストンはほぼリアルで体験しました。リリースは1976年ですが、私が聞いたのは1977年でした。「宇宙の彼方に」その邦題がよく曲の感じを捉えていると思いましたね。

不思議な感触でした。それまで聴いたことのないギターサウンド。厚みがあるのに音色はあたたかく、ユニゾンという同音を重ねた共振音が妙に心地よく、伸びやかで、おおらかで、決してスペーシーとは思わないけど、外に無限に広がるような開放感。なのになかなかハードな仕上がり。結構好きになって、よく聴いておりました。

どちらかというとビートルズにはじまり、ブリティッシュを中心に興味をもち聴いていて、あまりの能天気的なカントリーフレーバーが苦手だった事もあり、アメリカンはあまり縁がなかったのですが、イーグルス、エアロスミスとこのボストンが自分をアメリカに目を向けさせたような気がします。

当時のブリティッシュの音楽の主流は、転換期を迎えていましたがハードロックとプログレでした。よく言われる事ですがボストンはその二つの音楽的特徴をいいとこどりしたような気がしますね。ハードな質量のあるギター・サウンドに、構築的な音作りと高度な演奏能力。プラスしてビーチボーイズ由来的アメリカンなコーラスワークとポップでファミリアなメロディ。この三つが集まって「アメリカン・ハード・プログレ」なんでしょうね（笑）

でもこのアルバムの３曲目「Foreplay/Long Time」という曲に片鱗は見えますが、それ以外はプログレ要素ははっきり言って希薄だと思うのですがね…でもどの曲もよく練られ、捨て曲のなさは圧倒的な構築性のたまものといえるかもしれません。

Boston - Peace of Mind

ボストンはずっとバンドだと思っておりましたが、程なくMIT出身の工学博士トム・ショルツによるソングライト、アレンジ、演奏、レコーディングの殆ど全てをひとりで行うソロ・プロジェクトである事を知りました。バンドはライブ演奏をするために必要であったので、人を集めただけという事のようです。ボーカルのブラッド・デルプは欠かせないメンバーだったようですが＾＾；

いわゆる「宅録」の大家だったわけですね、多重録音とミックスダウンでこんなすごい音を作ってしまったという。今のようなテクノロジーのない30年以上前にこれだけの音をひとりで作り出したのは驚異としかいいようがない。しかもシンセやコンピューターを使わないで、時間と労力のみで作り上げた大パノラマ！「No Synthesizers Used」「No Computers Used」のクレジットが誇らしげに光ります。カンサスやジャーニー、スティクスなどの類似品と比べてはいけません、失礼というものです。

この恐るべき完成度のデビューアルバムは、メロディの良さからか大ヒット。今まで累計で1800万枚を売り上げたモンスター・アルバムとなりました。

急激な商業的成功はカネの匂いと群がる人を生み、多方面の軋轢を引き起こすのがが世の常。セカンド「ドント・ルック・バック」は当時のブランクとしては長い2年後の1978年と「生みの苦しみタイム」を併発し、さらにその次のアルバムを出すのはレコード会社とのトラブルでなんと8年後の1986年という、結果として恐るべき寡作のアーティストと化してしまいました。(次は1994年！笑）それでも全てヒットさせるわけですから、非凡なものがあるのでしょうね。

ボストンの楽曲には、聞いただけでボストンとわかる強固なサウンドアイコン、アイデンティティがあるのですね。真似ができない、という理由もあるのでしょうが、それにしてもすごい事だと思います。30年以上のキャリアでアルバムがベスト除いて5枚っていうのは寡作過ぎますけどね＾＾；

そろそろお開きの時間となりました。アルバムラストの、ポップでさわやかなナンバーで締めようと思います。

結婚した若いふたりのシチュエーションにぴったりの曲ではないかと…＾＾；　それでは、また。

boston-let me take you home tonight

BOSTON / BOSTON (1976)