豚袋でございます。お久しぶりでございます。

皆様ホントにホントにご無沙汰いたしましたm(_ _)m。気がつけば4ヶ月近くも放置ブログとなっておりました。留守中も皆様のあたたかいコメントやメッセージをいただきまして、誠にありがとうございますm(_ _)m 不義理の数々をしていながらご返事もできずにおりましたが、徐々にではありますがご返事やご挨拶にお伺いしようと思います。お時間下さい。とはいってもまだまだ以前のようなスローペースすら無理＾＾；　豚歩ぢゃなかった牛歩のあゆみの如く、超越的スローペースをお許しいただきながらの復帰を果たして行きたいと思います。記事の書き方も忘れてしまったくらいですが、ゆるやかなリハビリと笑っていただきつつ、よろしくお願い申し上げます(^^)v

本年に入ってから仕事関係で急にいろいろなトラブルが発生したなと思っていたら、あまりに売れない状況が続いてあれよあれよという間に休むヒマもないくらい仕事が立て込み、また組織が変わり人までガラガラ変わっていく、激務と激変の流れのなかで正直ちょっと精神的にも肉体的にも追い詰められておりました。ブログに関わる気持ちと時間を少しでも睡眠に使わなければならぬほどの余裕のなさでした。やっと今少し余裕のある季節を迎えたところですが、そんな時に限って時を見計らったかのように経営マターが噴出しまして…また少ししたら忙しくなりそうです(-.-;

そんな今の気分を例えて言うならこのアルバムの邦題でしょうか、まさに「勝手にしやがれ！」って感じ（笑）この邦題は実に安直に付けられたように思います。音楽の革新的な流れを映画のムーブメントであったヌーベルヴァーグに重ね合わせてパクると同時に、反体制で厭世的なニュアンスにも合うじゃん的な安易な邦題です。直訳できなかったんでしょうね、何せ「知ったこっちゃないぜキ●タマ野郎、セックス・ピストルズ参上！」てな感じですからね（笑）ブログ復帰第一弾は、ちょっとアンチでやさぐれた気分の象徴・パンク劇場「セックス・ピストルズ」をとりあげようかと思います。よろしくお付き合い下さいませ。

告白しますが私、パンクの洗礼を受けたのは実はリアルよりもちょっとディレイがかかっておりました。ピストルズが英国でブレイクしたのは1976年から77年にかけてのあたりでした。当時豚は小6～中１というまだ幼い頃で、ZEPPさまのとりこになりハードロックやプログレ世界に足を踏み入れ聞き始めていた時期でした。ピストルズは何となく話題としては知っていましたが、おぼろげに興味を持ったのはNHKのニュース(だったと思います）で解散が報道されてからだと思います。NHKのニュースでも取り上げられる話題性って…と思ったのが印象に残っております。従って実際に聞いたのは既に解散してしまった後、78～9年頃でした。

Anarchy In The UK

音だけ最初に聞いた時には「演奏が単純でガナリ系のふざけたボーカルで激しい感じ、そしてヘタ」くらいにしか感じませんでした。そのイメージされる不良性や暴力性に比してメロディは意外なくらいポップで拍子抜けしたのを憶えております。にもかかわらず、その後ピストルズから目が離せなくなってしまう訳です。それはやはりその鋭く独特で破壊的なファッション含むヴィジュアルと、行動や言動の破天荒さを象徴する数々の逸話に衝撃と共感を感じざるを得ないところにあります。

パンクはご存知のようにロンドンで発祥したものではありません。オリジンはアメリカはニューヨークに違いないでしょう。ピストルズにパンクのオリジンとしての価値はありませんし、それはダムドやクラッシュも一緒です。演奏も前出のバンドに比べて劣りますし、何故にピストルズが魅力があるのかと言えば、パンクというスタイルをわかりやすく、ティピカルなエンターティメントに昇華させたことだと思います。また、音楽的要素よりもアティテュードが大切である事を体現した先駆である事に間違いありません。

意図的なザンギリツンツンなヘアー（自分もこれは影響されました。depはもちろんダイエースプレーや砂糖水を使って逆立てたものです）、わざとボロボロ・ツギハギかつ拘束的?なファッション嗜好。挑発的な目つきと態度、ところ構わず唾を吐きSHIT!FUCK!という汚い言葉を吐き捨てるアンチタブーなアティチュード。キリスト教圏におりながらアンチクライストと名乗り、王国に身を置きながらアナキストを宣言し王室批判を展開。ライブの度に乱闘、出演禁止、ツアーキャンセル当たり前。レコード契約も破棄されるほどの暴れ具合。紳士の国イギリスにあるまじき最悪最低のマナー。その反体制度合いがパンクのある典型的イメージをまさに演出していたのでしょう。

Holidays in the sun

豚は彼らに対してミュージシャン、アーティストとしての思い入れは正直ありません。(勿論解散後のジョン・ライドンは別です。）彼らは当時のイギリスの政治経済状況を背景とした舞台で「パンクス」という「クズ」達の共感を狙い、悪童を演じ切った超一流の「役者」だったのだと思います。(ジョニー・ロットンのステージアクトを見ていると、歌舞伎の見得を想起するのは豚だけ？）ピストルズの本質は、ロミオとジュリエットでも貫一とお宮でも大差ない「劇場型」パンクであったのだと思います。劇場型であるゆえまさにマスコミ・観客を巻き込んでの肥大化はさけられなかったでしょうし、見せ場が過ぎれば短命化も必然だったように思います。音楽技術的背景に乏しい彼らが演じ切ってしまった後には「空虚」が残るだけでしょう。様式フォロワーや演劇的要素のみ真似ていく輩たちが量産されたころには、もう耐えられなかった気持ちが何となくわかります。ロットンのラストアクトの言葉、「だまされた気分はどうだい？」「パンクは死んだ」が象徴的です。その後の外伝は有名なシド・ヴィシャスのトラジックヒーロー伝説という産物を生むわけですが…

パンクの時代が過ぎ年月を経てこのアルバムを聞きなおすと、このアルバム自体はわりと音楽的に再発見があり、クリス・トーマスのおかげかプロデュースとしてもソツのない、とても聞きやすくファミリアなアルバムであることに気がつかされます。時代の勢いの中で埋もれて感じなかった事が再発見できるのは楽しいです。名盤と言われる意味は時代のマスターピースな意味合いと、良質なエンターティメント性に実はあったのだなぁと思います。それでは、また。

God Save The Queen

お尋ね：
私のつたない記憶によるとものすごく昔(30年近く前だと思います）、渋谷陽一さんのラジオで「中国のセックス・ピストルズ」を紹介していました。まだ民主化も進んでいない西洋の文化の流入なぞもっての他の犯罪であった時代の中国で、英語もなにもわからずただ海外ラジオの音だけを頼りに「アナーキー・イン・ザ・UK」をコピーして、中国楽器の音色に乗せてアーアーウーウー叫ぶだけという凄まじいバンドでした。その関わり方がパンクに他ならず強烈なインパクトがあったのを憶えています。何故そんな音源
があったのかわかりませんが、どなたか知っている方がいらしたらぜひ教えて下さい＾＾。

SEX PISTOLS / NEVER MIND THE BOLLOCKS, HERE'