こんばんは、豚袋ライトです。

まだモノクロジャケットにこだわりというか、こじつけてみようかと思います。ロキシー・ミュージックの「Heart Still Beating」というライヴアルバムなどとりあげようかと。

このアルバムはラスト・アルバムとなった彼らの最高峰アルバム「アヴァロン」のリリース後行ったヨーロッパツアーの、フランスで行われた1982年のライヴを収めたものです。もともとこのアルバムの礎となったミニアルバム「ハイ・ロード」が1983年にリリースされており、私はこのミニアルバム↓が実はお気に入りで、特にジャケットもインパクトあって好きでした。

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キレイなネーチャンが自分で唇を引っ張っているというポーズもよかったし、表面はネガポジ反転のインパクトと、裏面は通常ポジで吸い込まれそうな女性の魅力。このアルバムは4曲入りで、うち2曲はニール・ヤングとジョン・レノンのカバーということで、かなり魅力的な、しかもロキシーのラストリリース！(当時はまだ解散宣言が出てなかった）なのに全くＣＤ化されず、時が経ってしまい、そのリリースを待ちわびていたところ突如1990年にその4曲を網羅する形で拡大、当時のヨーロッパツアーを再現・復元したのがこのライブアルバム「ハート・スティル・ビーティング」というわけです。

「アヴァロン」でひとつの完成形を迎えた「円熟ロキシーｂｙブライアン・フェリー」の当時の勢いのまま、オトナのダンディズム満載な楽しいアルバムとなりました。

でもやっぱり「ハイ・ロード」の4曲が思い入れ大なので、ここに再現してしまいます。

Can't Let Go

この曲はフェリーのソロ「ベールを脱いだ花嫁」に入っている曲。女性コーラスと演奏のド迫力。「行っちゃやだ！」的な恋するダメ男の気持ちが胸を打ちます（笑）フェリーにしか出せない味。

My Only Love

「フレッシュ＆ブラッド」からの曲、壮大なバラードは後期ロキシーというかフェリーの独壇場。アルバム全体は初期の曲がやや少ないものの、「アヴァロン」からの曲も含めバランスがいいです。一方で、やんちゃ初期ロキシーのファンの方々の評価はあまりよくないようですね。しかしながらこのアルバムの価値はやっぱりカバーの2曲にあるのだと思います。

Roxy Music- Like A Hurricane

本家ニール・ヤングの方は非常に寂寥感と男性的な哀愁を帯びたエモーショナルな名曲ですが、フェリーにかかるとさらに「枯れ」「円熟」がスパイスとして加わります。コーラスとマッケイのサックスによって「艶」っぽさ倍増で、ファンキーとも言える仕上がり。

そしてアルバムのラストを飾るのは一番の聞かせどころ「ジェラス・ガイ」！本家ジョン・レノン以外にこの曲をやれるとしたら、フェリーしかいないと思います。この曲はジョンの盲目的な愛と自己吐露が胸を打つ名曲ですが、女性に対して溺れゆく自己愛の裏返しとしての「情けなさ」がフェリーのダンディズムの美学。これほど「Jealous Guy」という言葉が似合う人は他にいないと思います。この一曲を聴くために、このアルバムの価値があるといっても過言ではないと断言します。

この曲で本日は締めたいと思います。それでは、また。

Roxy Music - Jealous Guy [Live,1983]

ROXY MUSIC / HEART STILL BEATING (1990)