「終わらない感情」
昔から歌うことが好きだった。
きっかけはなんだっただろう。
物心ついた時から、テレビから流れる音楽に合わせて歌っていた。
初めて買ったCDは、のりピーの碧いうさぎ。
まさかあんなことになるなんて、その当時は思いもしなかった。
15歳の時に行った、母校、駒大高校の文化祭。
先輩達が楽しそうに音楽をしている姿を今でもはっきり覚えている。
僕の音楽人生はそこから始まった。
高校に入学して初めて出来た友達は、前の席の気持ち悪い奴。
そいつに1人の男を紹介された。
ドラマー、「太陽」との出会いである。
昔から太陽くんはおふざけが大好き。
彼が歌う尾崎豊の15の夜は、毎回聞くたびに声が枯れるまで笑ってしまう。
中学ではバスケ部と言っていた彼の、中学時代の卒業アルバムを見たら、
まさかの卓球部。
なんで隠していたのかはわからないけど、
あまり自分の事をお話にならない恥ずかしがり屋さんの一面もあるんだなと思った出来事である。
簡単に言えば、おバカちゃん。
でも裏返してみれば、ピュアな心を持った子だ。
僕は高校3年間、ずっとベースを弾いていた。
異常にギターが上手い先輩と、同じバンドを組みたかったから。
たくさん教えられた。たくさん怒られた。
いつしか、高校では1番ベースが上手いんじゃないかと変な自信を持った。
しかし、すぐその自信も崩壊したんだ。
ベーシスト、「hideto」との出会いである。
クールに見えて、意外とお茶目な一面のある彼は、過去3回程、骨折をしているらしい。
なんてことない話も、彼の手に掛かれば一級品。
目つきは悪いけど、面白くて心の優しい青年だ。
いや、彼はまだ自分のことを少年と思っているのかもしれない。
高校時代、彼とは同じバンドを組んでいない。
あの時は、今こうして同じバンドでやっているなんて想像も出来なかった。
おそらく、彼も同じことを思っているんじゃないかな。
大学に入学して、太陽、hidetoと一緒にカラオケの鉄人、駒澤大学店に行った。
当時の僕らが愛して止まなかったバンド。
藍坊主。
キーは高いけど頑張って熱唱した。
どうせならコピーバンド組みたい。
3人にはちょいと広いカラオケの一室で生まれた、あの幻のバンド、「ピンツ!」。
ここから、新川トモヒロ、太陽、hidetoの、長く、苦悩に満ちた日々が始まる。
「ピンツ!」から「Innocent☆Stars」。「INNOCENT☆STARS」から「No;t」へとバンド名を変え、
その間、ギタリストも何度も変わった。
正直、良い奴、悪い奴、どっちもいた。
でも今となっては、一緒に音楽を出来たことを嬉しく思う。
今頃何をやっているのか。
たまにそんなことを思ってみたりもする。
約1年半前、僕が某大手コンビニエンスストアでバイトをしていた時に、衝撃の出会いがあった。
初出勤の僕は心臓バクバク。
どんな人が来るんだろうと緊張していると、
平然と一人の男が遅刻してやってきた。
茶髪で長髪。すらりと伸びた足と爽やかな笑顔。
第一印象、
「この人絶対優しい人だ!」。
ギタリスト、「kenta」との出会いである。
その落ち着きぶりは、まるで同い年とは思えなかった。
印象通り、彼は優しい人間だった。
この段階で知っている彼のことは、ギターを弾ける優しい人。
それくらいだった。
でもギターの技術とかどうでもよかった。
彼という人間と、一緒に音楽をやってみたい。
バンドに誘う1番の決め手だった。
メンバーの中で、1番破天荒な人間も彼だと思う。
世間的に、普段優しい人が怒ると怖いと言われるけど、言葉の通り。
コンビニでのある事件をきっかけに、
僕は彼を、「暴君山崎」と命名したのであった。
個性的なメンバーが集まって挑んだ、初めてのライブ。
緊張はしたが、最高に楽しかった。
そしてその時、ある事務所に早速声を掛けられたのである。
突然の出来事に、まぁ全員驚いた。
特に僕と太陽、hidetoは、過去にそのような事が一切なかったからか、余計に驚いた。
kentaは神なんじゃないか、とまで思った。
レコーディングをしてデモ音源を作り、その後もアルバム制作、全国流通、PV撮影など、次々と決まっていった。
そしてその中で、それぞれの音楽への思いが「終わらない感情」として、
「NOT END FEELS」というバンド名に表現されることとなった。
意外と物事は順調に進むもんだね。
そんなことを言っていたのも束の間。
お察しの通り落とし穴はあるもので、アルバムのレコーディングをしている最中に、全ての話が流れてしまった。
原因はわかっている。
僕の力不足だった。
音楽で感情を伝えるには、その感情をメンバー全員で共有しなければならない。
それが自然と、ギター、ベース、ドラムの演奏になっていくから。
作詞、作曲者として、全てをメンバーに伝え、理解させる。
出来て当たり前のことも出来ない自分が、本当に嫌になっていた。
純粋に音楽を楽しむこと。
それすらも出来ない人間が、NOT END FEELSを続けてはいけない。
解散を決めた1番の理由だった。
ずっと信じてくれていた。
「お前の声と、書いてくる曲が好きなんだよ。」
本当に嬉しかった。
優柔不断な僕の音楽を、前向きで、いつもお客さんに届く音楽に変えてくれていたのは、間違いなくメンバーだった。
そんなメンバーを裏切った僕は、最低の人間だと思う。
5月30日、昔からとてもお世話になっていた学芸大学MAPLE HOUSEに出演した。
その時、店長の垣内さんに言われた言葉。
「お前らが音楽から離れて行っても、音楽は離れて行かない。」
歌いたい時に歌える。すぐ届く距離にある。
それが、音楽という本来の姿だった。
忘れていた記憶が一気に蘇ったような、そんな感覚だった。
僕の音楽人生は、かけがえのないものなんです。
約6年間のバンドで過ごした日々と、1年間のNOT END FEELSの活動が、僕に与えてくれた影響は計り知れない。
その中で本当に濃い時間を過ごしてくれたメンバーと、関わってくれた全ての人に感謝しています。
ありがとう。
僕は少しの間、音楽から離れようと思います。
でもまた、歌いに帰って来るよ。
その時は会いに来てね。
今後、それぞれが違う道を歩んでいく。
4人で作り上げた感情を、いつまでも心に残したまま。
明日、6月17日。下北沢GARAGEのステージには、
最高の「終わらない感情」を抱いた4人が立っている。
NOT END FEELS Vocal 新川トモヒロ
2012/02/07
駐車場。
警備員に言われた一言。
「ご迷惑お掛け致します。」
確かに迷惑だ。
でも感じがいい。
良い人だ。
ただなぜそれを警備員に言わなきゃいけないのか
不動産だろ言うの。
不信感は拭いきれない。
30分前の話。
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『NOT END FEELS 公式ホームページ』
http://not.sunnyday.jp/
□NOT END FEELS ライブ情報
■2月7日(火)
下北沢GARAGE
"GOLD"
【CAST】NOT END FEELS / IRO(神戸) / 空創ワルツ / Vibriofischeri Wave
【open/start】18:30/19:00
【前売券/当日券】2000/2300 (ドリンク別)
■2月23日(木)
下北沢CLUB251
HAGIWARA DAISUKE presents ココロノオトvol.205th Anniversary0
【CAST】NOT END FEELS / 萩原大介 / 吉田健児 / apaindyne / O.A:萩原大介井上博毅
【open/start】18:00/18:30
【前売券/当日券】2000/2300 (ドリンク別)
■3月13日(火)
渋谷RUIDO K2
sonic squair pre.【相対性理論】
【CAST】NOT END FEELS / sonic squair / NOT ESCAPE AGAINST TRUE / MAD / G.I.M /
【open/start】未定
【前売券/当日券】未定
■3月14日(水)
高田馬場club PHASE
THE 衝動
【CAST】NOT END FEELS/カラミライ/The Cold Waltz/and more…
【open/start】未定
【前売券/当日券】2000/2500 (ドリンク別)
...and more more more!!!
