ひどい心持ちで、嫌な夢を見て目を覚ます。
気を抜いたら魂が抜けそうなほど疲れてる。
今回ばかりはKくんに頼ることはできない。
Kくんにだけはどうしても言っちゃいけない言葉がある。
1週間ぶりに顔を見た瞬間に、
全部見透かされたような気がして、
そうしたらもうまともに会話もできなかった。
わたしはもう2度とKくんが傷付くことはしたくないし、
傷付いた顔を想像しただけでも苦しくなる。
Kくんは自分のことでは滅多に傷付かないと言うけれど、
でもそのぶん、いや、その何倍も、何倍も、
他人のことで痛々しいくらいに傷付くことをわたしは知っている。
Kくんがしきりにわたしの腕を引っ張っていたのは、
いつかこういう日がくることを知っていたからかもしれない。
もう何年も何年も、「一緒に行こう」とずっと言ってる。
つらくはない。悲しくもない。
誰かに助けてほしいかと言うと、そうでもなく。
ああ、どうしようかな、と、ただそれだけ。
元気だし、絶望もしていないし、きちんと生活してる。
でももう一度自分の世界を構築する力がないのは事実。
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