『不思議の国のアリス』(ふしぎのくにのアリス)とは、イギリスの数学者にして作家チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、ルイス・キャロルの筆名で1865年に出版した児童文学である。 主人公の少女アリスが、白うさぎを追ってうさぎ穴に落ち、そこから人間の言葉をしゃべる動物や人間のようなトランプの札の住むファンタジーの世界を冒険する物語。 『不思議の国のアリス』の本文には、友人たちに関わる逸話や、イギリスの学童の授業風景のパロディ・風刺が数多く含まれている。 ディズニーによってアニメーション映画化もされ、『ふしぎの国のアリス』(ふしぎのくにのアリス、原題:Alice in Wonderland)は、1951年7月28日に公開された。日本での公開は1953年8月19日。 教訓物語から開放された新たな児童文学の出発点であり、言語遊戯、論理学、夢(精神分析)などに関する多くの論点をはらむ作品として、英文学史上でも特筆される。 今日に至るまで、世界各地で訳され、子供だけでなく大人にも親しまれている。 本書の英語の原題「Alice's Adventures in Wonderland」の直訳は、『不思議の国でのアリスの冒険』となるが、日本では後述するように『不思議の国のアリス』の訳題で知られている。 英語でも、しばしば省略形である 「Alice in Wonderland」 の題名が使われる。 この略題は近年の本作品の映画化などによって、広く用いられるようになった。 日本におけるAlice's Adventures in Wonderlandの初訳は、1908年2月に実業之日本社から創刊された『少女の友』の第1巻第1号から第10号までに連載され、1912年に紅葉堂書店から1冊にまとめられて出版された、「須磨子」名義による永代静雄訳の『アリス物語』である(ただし、この翻訳は原作の細部を作り変えた、改作に近い翻案であった)。2年後の1910年に丸山英観によって発表された『愛ちゃんの夢物語』は、当時の外国文学の翻訳の慣習にのっとり、登場人物名が日本人に置き換えられている。ほかに、初期の珍しい訳本としては、芥川龍之介と菊池寛の共訳による、『アリス物語』(1927年)が挙げられる。 本書には『鏡の国のアリス』(英: Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)と題された続編があり、両編の要素を組み合わせた映像化が何度も行われている。