最近、『茶の間から日本精神を深堀りの会』と言って
日本の精神文化を深堀して、
それを簡単な英語で説明できるように学ぶ
という講座を
言霊まなびの会の講師・ちとらさんと始めたのですが
噛み砕いた、解りやすい、平たい英語表現を
しようとするときに必要なことがわかってきました。
難しい英単語を使わずに
言いたいことを英語で表現するには
その言いたいことをしっかりと理解した上で
簡単な英単語で表現するということです。
そして、さらにわかってきたことは
英語で表現すると、難しいと思っていた日本語表現が
理解しやすくなるということ。
大來 尚順(おおぎ しょうじゅん)さんという
「ぶっちゃけ寺」でもおなじみですが
ハーバード大学神学部で研究員として学んだお坊さんなんですね。
そのお坊さんが初級英語で仏教用語を
やさしく解説してくれる講座があるのですが
それを受けた桂 浄薫さんのブログに
楽しいことが書いてあったので少し抜粋いたします。
さらに詳しく読まれたい方はこちら
『宗教』という言葉を訳すると
**引用はじまり**
Re :再びくっつける
ligion :神と人間
Religion :離れてしまった神と人間を再びくっつける
宗教をこう定義しなおすと、ぼやけていた宗教という概念がクッキリします。
仏教を英語で考えるのはまさにこのような感じで、
英訳を通して仏教思想をシンプル化したり、
違う角度から見たり、再確認すること。
新しい発見とともに、より理解が深まることも期待されます。
次に、煩悩の中心とされる「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」について。
通常は以下のように英訳されます。
貪(貪りの心): Desire
瞋(怒りの心): Hatred
癡(無智の心): Ignorance
これでも問題ないものの、
もう少し馴染みやすい英訳を大來さんは提案されます。
貪: Desire → Greed(貪欲)
瞋: Hatred → Anger(怒り)
癡: Ignorance → Stupidity(愚かさ)
注目はその頭文字を並べると「GAS」、
つまり「オナラ」になること(笑)。
貪瞋癡は「三毒」と言われるくらいですから、
オナラ同様に長くお腹にためておくのは体に悪いですよね
。ユーモアたっぷりに話される大來さん、
しかしさわやかな大來さんの口からオナラという想定外のフレーズが出て、
女性ファンはもうメロメロです!
もう一つのポイントは、逆に英訳が混乱をきたすもの。
空(くう): Emptiness / Nothingness
仏教の中心的概念ともいえる「空」ですが、
その理解は一筋縄ではいきません。
般若心経でも「色即是空」といった直後に
「空即是色」と否定されるように捉えどころのないもの。
少々乱暴に解釈すれば「空 = 縁起」であり、
この世の事象は何ひとつ単独では存在しえないということです。
それを英訳するにあたって、
「空」という漢字の意味や印象に引きずられて
「Emptiness = 空っぽ」「Nothingness = 何もない」
と訳したのでは誤解を生じかねません。
そこで大來さんは漢字から離れて
「You are not alone = ひとりではない」
というニュアンスを大事にした訳でも良いのでは、
とお話されました。
これらのように英訳にもいろいろあり、
本当に適切な訳語を見出すのは至難の業です。
いや、どんな英訳をしても完璧に意味を伝えることは不可能。
ですからどんな英訳にせよ、
それを補足する説明を自分自身の言葉でできるようにすることが何より大切で、
そのためにはまず日本語で仏教思想を深く理解するのが先決、
とお示しくださいました。
**引用 終わり**
この文章を読んだとき
「あ、わたしがいつも英訳しているときと同じだ!」
って思ったんです。
言葉をよく理解した上で、英語の表現を柔らかくすることで
より深く理解することができる。
『自分自身の言葉にする』
これがとても、とてーも大切!
『茶の間から日本精神を深堀りの会』では
ちとらさんが、なんども何度も、言葉を
自分の中で咀嚼して、彼女が理解に達したときの
文章で仕上げてくださいます。
それを今度は、わたしがなんども読んで英訳する。
その途中の作業がものすごく楽しい
時間なんてあっという間に経ってしまいます
これからも仏教を解りやすく
英語で説明してくださっているのを
わたしなりに噛み砕いて説明していきたいと思っています。
いろんな形で英語を使っていくと
すごく上達が早いですよ
一緒に楽しんでまいりましょう
日本の精神文化を楽しく学んで
英語も上達できる
『茶の間から日本精神を深堀りの会』
次回は、4月末を予定しています。
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