バカップルのお話もこれで最終話w

魔人さん、キョーコちゃんは無防備ですぐに騙されちゃうけど、彼女なりに学習しています。

てんさん、確かに『口先だけラブラブカップル』w

本当にそうですね・・・だって頭では、わかっていても好きな人とは、一緒にいたい、会いたいと思っちゃうとやっぱりああなってしまうのでは?と、ピコは思いました。

でも、鍵はすでに合鍵を互いに持っているので、あんまり意味がないんです汗

あと後半の感想は、これ読む前に大方、こちらの話を書き上げていたので、これをUPする事でピコなりの返事としてください。


では、本編をお楽しみ下さい。


(注意) このおはなしの中に、キョーコちゃんが車の運転をする部分が含まれていますが、彼女はマネーージャーがいない時期が長かったので(今は愛を取り戻したので、マネージャーいます)18歳になると同時に移動が便利だという理由で、免許は習得済み設定です。



例え役の上でも・・・ ー後編4ー


お風呂から上がった蓮は、バスタオルを腰に巻いた姿で、着替えのスーツを持って不服そうにキッチンへと入って行った。


「ねえ、キョーコ・・・どうして着替えがこのスーツなの?

昨日着てたパジャマで、俺はかまわないんだけど・・・」


「駄目です!今日は、お食事が済んだら帰って貰わないと!

こんなに毎日通ってきたら、本当に今度こそスクープされてしまいます!

---------って、何勝手に他人んちの冷蔵庫開けてビール飲んでるんですか!」


「うん?風呂上りの一杯だよ。キョーコも飲む。」


飲み掛けのビールを差し出してくるので、思わず手がでそうになって、慌てて手を引っ込める。


「あっ、ありがとうございます・・・って違うでしょう!

大体私達二人とも、社長から禁酒を言い渡されているじゃないですか!」


「うん、でもそれは外だけの話でしょう。家の中では関係ない。

それに昨日も一昨日もその前も飲んでるんだから、別にいいんじゃない。

今更だろう。」


「それはそうですけど、いつも蓮さんが帰ってくださいって言っても、私のことなんか無視して、飲んじゃうからいけないんでしょう。ほら今日だってまた・・・もおお~~~帰れなくなっちゃったじゃないですかあ~

どうするんですか・・・

ここの所、ずっと私の部屋から仕事場に通っていて、まるでこれじゃあひもみたいでしょう!!」


「ひも?それもいいなww ならここに本格的に住みついて、キョーコに食べさせてもらおうかなww」


「無理です!大体、私の何百倍もたくさん稼いでいる蓮さんが、ひもになんてなれません!」


「何百倍って・・・そんなに今は変わらないと思うけどな・・・

ほら、これでも飲んで機嫌なおして。」


冷蔵庫からもう一本新しいビールを取り出すと、プルトップを開けて、キョーコに手渡した。


「もお~本当にどうなったって知らないんですから!」


ぷくっと膨れたまま差し出されたビールを取り去ると、一気にごくごくと飲み干した。


「美味しい・・・」


「だろうww ああ~今日のご飯も美味しそうだ。ねえ、食べてもいい?」


「もう~仕方ないですね・・・はいはい、どうぞ召し上がれ。」


「いただきます。」


さっきまでむくれていたのに、もう表情は和らいでいて、二人笑い合っていた。

蓮の向かいに座って、何かと世話を焼きながら、今日あった事とか報告し合う。


「-----でね、今日ファンの子に頂いたクマのぬいぐるみがあまりにも可愛くて愛嬌があったので、思わず家まで連れ帰ってきちゃったんですよw 

ねっ、かわいいでしょう。」


飾ってある部屋の方をむいてキョーコが蓮に同意を求めると、返事もせずに箸を置いて、リビングの方にスタスタと歩いていった。そして、クマのぬいぐるみを持ち上げると、顔を覗き込んだ。


「本当だ・・・愛嬌のある顔だね。どこかキョーコに似ているかな。」


「ええ~~私、そんなに間抜け面してませんよ!」


「そうかなあ~ 似ていると思うけどね。」


顔をキョーコの方に向けて、ぬいぐるみの鼻の頭をトントンと指さした。


「ねえキョーコ、これを贈ってくれたファンの子って・・・もしかして、男?」


「ええ~そうですよ-----きゃああ~~~!何捨てようとするんですか!

私のお気に入りなのに!」


持っていたクマをいきなりゴミ箱に押し込もうとする蓮から、ぬいぐるみを取り上げて、汚れを手で払うと涙目で睨んだ。


「だってここは、二人の部屋なのに、余所の男からもらったものがあるなんて許せないんだ!ねっ、それが気に入ったのなら、同じものを俺がまた買ってあげるから、これは捨ててしまおうよ。」


「いやです!絶対にいや!これは、私を応援してくれるファンからi頂いたものなんですよ。捨てるなんて、絶対にできません!それに二人の部屋って、ここは私の部屋です!蓮さんの部屋は別にあるでしょう。勝手に住みつかないで下さい。」


「そんな冷たい事言わなくてもいいじゃん---

最近は毎日ここから通っているし、着替えだって、普通に置いてある。

それに唯一の気がかりだった寝室も俺のサイズに見合うベッドも入れたんだから、何も問題ないでしょう。」


「そこおお~~大有りです!!

どうしてあなたは、勝手にそんな事したんですかあ!

もう帰って、びっくりですよ。寝室がベッドで埋まってて、足の踏み場もない!

移動もベッドの上を歩くだなんて有り得ないでしょう!無茶苦茶です!

お願いですから、今すぐ返してきてください!」


「うん…ごめんね。あれはさすがに俺もまずかったと反省して返そうと思ったんだけど・・・・あまり時間がなくて、持って帰ってもらう余裕なかったんだ。

それにまた布団で寝るのも嫌だったから、止めた。だから、しばらくはあれで我慢してね。ほとぼり冷めたら、あのベッドがゆったり置ける広い部屋に二人で引っ越そうよ。」


「どうしてそうなるんですか!蓮さんが、此処に泊まらなければ、何の問題もない事なんです!返品してください!明日にでもすぐにしてください。それが嫌なら、おとなしくホテルに帰ってください!あのベッドは、私が返品しておきますから!」


「えええ~~ いつからキョーコは、そんな冷たい子になったの?俺にこんな夜中にひとりでホテルに帰れって…ひどすぎない? 襲われでもしたら、お婿にいけなくなるじゃないか! そうなったら、キョーコが責任とってくれる?」


「どうして、そんな話になるんですか!

喧嘩強いくせに、襲われなんてしません。お婿にだって、どこだって行けます!」


「そうww なら行こうか♪」


「って、なんで私の腕をとって寝室に行こうとするんですかあ~

まだお食事の途中ですよ!!」


「じゃあ食べた後ならいいの?寝心地も試してみないといけないしね。

スプリング具合も重要だよね…あとあまり音がうるさいのも、興冷めだから、ちゃんと確認しないと。」


「どういう意味ですかあ///

もういいから、さっさと食べて、おとなしく自分の家に帰ってください!」


「だってまだ帰れないんだもん----

ホテル暮らしも、いい加減飽きたし、そろそろ家に戻りたいんだけどなあ---

まだ記者がたくさん張っているらしくて、当分帰れないみたいだ・・・本当に参った。」


「カワイコぶっても駄目です!

それにもとはと言えば、蓮さんがあんなことを言うからいけないんでしょ!

身から出た錆です!」


「だってしょうがないじゃないか。相手が誰だか、皆わかってなくても、俺は知っているんだから!キョーコの事で嘘はつきたくない!キョーコだってそうだろう?」


腕をとって自分の胸に抱き寄せ、諭すように何度も頭にキスを降らせながら、髪を梳いていく。


蓮さんの意地悪---私がこれに弱いの知ってて、やってくるんだから・・・

でもね でもね やっぱりまだ知られたくない・・・


私はまだ蓮さんには追いつけていないから。


「でも、大切な人ですって、あの場ではっきり公言しなくてもいいでしょう。

みんなは、どこかの店のホステスだと思っているのだから、そのまま黙っていればそれでよかった。

酔った上での一夜限りの過ちと言ってしまえば、ここまで逃げ回らなくても済んだのに・・・」


「そんな事言えるわけないだろう。そんな----心にもない台詞---

口に出しただけでも、胸が張り裂けそうだ。」


きらりと深い闇を抱えた瞳が、私の心の奥を突き刺すように熱く見つめてくる。

どくどくと鼓動は高鳴り、彼の甘い誘いに一緒に落ちてしまえばどんなに楽か・・・

揺れる心を見透かされたかのように、唇は近づき、触れては離しを繰り返して、

私の秘めていた欲に火をつけてくる。


「・・・だって…私だって…蓮さんにあんな風に言ってもらえるのは、嬉しかったけど、あんなことで・・・貴方の演技の邪魔をしたくなかった。ただでさえまともに休めないほど忙しいのに、これ以上忙しくなったら、蓮さんが倒れちゃう!それが一番心配なんです。私のことなんて気にしなくてもいいの!蓮さんがそばにいてくれさえすれば、何だって…」


唇を震わせ泣きそうな表情で必死に訴えるキョーコに蓮は答えるかのように、また唇を合わしてきた。

今度は、愛を確かめ合うように、舌を絡ませ深く深く互いの咥内を貪り合う。

背中にまわされたキョーコの手が、力なくパタリと落ちたのを合図に、ゆっくりと唇を離して額をつける。


「ありがとう…でもね、いつどこであれが、京子だとばれるかわからないんだよ・・・

あの時俺が遊びだと言えば、ばれた時には、皆も京子をそのように扱ってしまう。それだけは、絶対に避けたかったんだ。

大切な人をそんな目には、合わせたくなかった。」


これほどまでに思われている私は、なんて幸せなんだろう。

なのにどうしてあの日、自分の嫉妬に流されて、あんなひどい・・・彼を責めるような事、言っちゃったんだろう。

本当は、わかっていた。

あの女の人が勝手にキスを仕掛けてきた事・・・

だって蓮さん驚いた表情で、手の動きも固まっていたから。


嬉しさと悔しさで涙が零れ落ちそうになるのを我慢して、必死で笑いかける。

私は、この人にこんなにも深く愛されてる。

それがどれだけ幸せで心満たされることなのか…

こんなにも幸せな時が訪れるなんて、昔は思いもしなかった。

ずっと愛されるために必死で尽くして、いらなくなったら捨てられるという恐怖と共に頑張ってきたから・・・それが当たり前だと思っていた愚かな自分が、今は嘘みたいに思える。

彼は、何も頑張らなくてもただ傍にいて、愛してくれる優しい人。

自分が信じれるまで、何度も愛を囁いて、甘やかしてくれる最愛の人。


「…蓮さん、この前は、疑ってごめんなさい。私は、こんなにも貴方に愛されてるのに、ちっぽけなヤキモチで貴方に酷い事を言ってしまったわ・・・本当に、ごめんなさい。そして、私を大切に思ってくれて、ありがとう。」


小さな声で囁くと、今度は自分から彼の唇に触れていった。

ゆっくりと離す際に、彼の口角が少し上がった気がしたのは、見間違い?


「もういいよ・・・誤解がとけてよかった。

それに・・・あの日のキョーコは、俺を魅了する為に着飾ってくれたんだろう?」


「違います!汚れたので、飲んでいたお店の衣装を借りただけです。

決して蓮さんのためではないです。」


「でも俺を離したくない!魅力的な女性になりたいって、そこのお店のママに頼んで、指導して貰っていたんだろう。アキコさんに聞いたよ。」


「そ・・・それは・・・///」


「嬉しかったよ。いつも人の目ばかり気にして、自分を卑下しているキョーコが俺のために変わりたいだなんて・・・俺を奪い返すつもりだったの?」


どうしてそこで、夜の帝王になるのですかあ~~

いけない!このままでは、また蓮さんのペースになって朝までコースだわ。

ここは、なんとしても切り抜けないと!


「うふふふっ・・・そうだっていったら、貴方はどうするつもり?」


彼の腕からするりと抜け出し、顎に手を当てて顔を少し傾けると妖艶に微笑んだ。

その様子に蓮も負けじと、妖しく微笑み返し彼女の頬に手を伸ばす。


「あの写真のキョーコは、とても色気があって情熱的だった。どんな男でも、君の前では膝をつき愛を乞うだろう・・・まるでアフロディーテーのようだった。なぜあの時俺は、酔っ払って何も覚えていなかったのかと激しく自分を責めたよ。

この目で、この腕で、あの日の君をもう一度確かめたい。」


「あら・・・そうなの---

ならば、あの日の私になって見せてもよくってよ・・・

でもそうなると、他の男性も私から目を離せなくなるわね---

ふふふっ…だって、アフロディーテーは、愛を司る女神、

人々の情欲を掻きたて魅了するんですものね。」


目を細め唇を薄ら開くとそっと舌なめずりをした。

そのあまりにの凄艶さにぞっとした蓮は、慌てて彼女の頬から手を離し謝った。


「ごめん!!もう言わないから、やっぱり止めてくれ!

キョーコは、今のままが一番可愛い!今のままで充分だ!

これ以上魅力的にならないでくれ!他の男を誘惑なんてしないでくれ!」


焦って頭を下げて謝る連に、キョーコは勝った!と心の中で大きくガッツポーズをしながらも、まだ相好を崩さぬように気を引き締め、落ち着いた物腰で、微笑みかける。


「ならば、あれが私だとは絶対にばれては駄目と言う事ね。

わかってくれて嬉しいわ。では早く食事の続きを終えて、今日はおとなしく帰って下さい。あとでタクシーを呼びますから。」


さっきまでの妖艶さはなくなり、いつものキョーコとなると、キュートな微笑で、蓮をキッチンへと押し戻した。


「やられたああ~~。騙したね。」


「騙したなんて人聞きの悪い!

ただお願いしただけですよ。あっ、それとあのベッド、こちらの方で明日引き取りに来て貰うように連絡いれますから、ご心配なく。この部屋には、お布団で充分です。蓮さんには住み辛いでしょうが、此処は私の部屋なので問題ないでしょうw

あっ、お車は今日はここに置いてもらって構いません。明日、私が事務所まで運転してお返ししておきますから。」


「あ~あ、わかったよ。今晩は、俺の負けだ。キョーコの言うとおりにする。」


両手をあげて降参のポーズをすると、言われた通り食事を再開して、渡されたスーツに腕を通し、闇に隠れるようにこっそりと宿泊しているホテルへと戻って行った。


やったあ!!蓮さんの色気に打ち勝てたわ!

初めての快勝!

やればできるじゃない私! 凄いわ!


彼の夜の帝王をも打ち負かし有頂天になっていた私は、その後とんでもないドジを踏んでしまうのだった。


翌朝、約束通り彼の車を運転して、事務所まで行ったのだが---

その際、さすがに敦賀蓮の車を運転するのに、このままではマズイだろうと思い、普段はしない変装をしてサングラスをかけた。

これがすでに浮かれている証拠!

冷静に考えれば、普段通りにしていると京子だとばれた事のなかった私は、このままでよかった!

なのに妙にこの車に合うようにと大人びた扮装をしてしまった結果、あの夜の謎の美女が私だとばれてしまったのだ。


何て不覚!とんだ大ポカをしてしまった。


私は、あの日の蓮さんのしてやったりの似非紳士笑顔を一生忘れないだろう。


はめられたのおお~


それとも偶然!?


真実はわからないけど、結局蓮さんの思惑通りとなってしまい、

ただ今、二人で記者会見の真っ最中


『では、あの日は二人とも酷く酔っ払っていて、何も覚えていないということでしょうか?』


「ええ~、そうです。あの夜の少し前に、ちょっとした行き違いで喧嘩をしてしまって、少し自棄になっていたんでよ。お騒がせをして、申し訳ございません。」


『へえ~、そうなんですか----

で、喧嘩の原因はなんだったんですか?』


「ふふふっ…それは、内緒です。ただ一つだけ言えるのは、例え二人にどんな事が起こっても、俺は決して彼女を手離なさいと言う事だけです。それは、例え役の上でもね。」


カメラに向かって軽くウィンクする蓮に、会場の女性スタッフはもちろんカメラの向こうの視聴者までもがメロメロになっていた。

それは、次回ドラマの脚本を手掛けていた勢井も同じだった。


数日後、二人の元に届けられた新しい台本は、喧嘩別れをしたカップルが再会して、この愛こそが真実の愛だったと気づき、幸せになっていくストーリに書き直されていた。


結局、全てが蓮の思惑通りとなったのだが、どこまでが計算でどこまでが偶然だったのかは、誰にもわからない。


ただすべてが計算だったとしても、あの謎の美女が京子だとばれて以来、熱狂的な京子の信者を増やしたことと、彼女を主役としたドラマ『夜の女たち』のオファーが舞い込み放映されたことで、また一段と京子の魅力が皆に知れ渡り、排除しきれないほどの馬の骨を増産していったのは、予想していなかっただろう。


おわり



やったあ!!!

終わったあγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ


今回ほど、書くのに苦しんだお話はなかったです。

何度も書き直し、エピソードを増やしたり削ったり、試行錯誤の繰り返し。

書いても書いても終わらないんですしょぼん


でも最後までくじけずに頑張ったよ!私!

自分で自分を褒めてあげたいww

(某元マラソン選手の言葉♪)


書きたかったラストに、無事繋がって一安心です。


魔人様、これで一つリク罠消化になったでしょうか?

頑張ったから、頭なでなでして、ご褒美にドボン免除してねべーっだ!


たくさんの拍手&コメントでピコを励ましてくれた皆様

最後までお付き合い下さった読者様

本当にありがとうございました!!


次回は、ちょっと息抜きに拍手お礼文5&6をブログの方にUPして

できれば拍手お礼文7を書き上げるつもりです。


そして、その後に『セカンド・ラブ 番外編』を書く予定にしています。


多分こんな調子でたまに弱音を吐きながら書いていくと思いますが

皆様、生暖かい目で見守って下さい。



お気に召しましたら、ぽちっとよろしくです。

これからのピコを応援するボタン?





web拍手 by FC2