市原フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会を聴いて
2016年4月17日市原市民会館
指揮:辻 博之
ピアノ:渋川ナタリ
朝から風が強く、小雨まじりの天気だったが多くの人々がホールに集まりました。
1.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
CDではもう数百回聴いているが、生演奏は初めて。
期待を込めて会場に向かったが、本当に本日会場に行って良かったと夕食後の今もしみじみ思っています。
1楽章冒頭の和音から渋川さんのピアノのゆったりとした優しさの様な表情が会場に広がりました。
そして弦のあのメロディーが流れました。
控えめに繊細に、聴衆の耳を澄ますのを促すように、音楽が始まりました。
うっ、上手い、こんなデリケートな表情、今までの定期で聴いたことはない!
1st弦と2nd弦のみなさんの体がゆらゆら揺れている。
このつかみの1分間だけで僕はまず一泣きしてしまいました。
あたりまえだけど、ラフマニノフのピアノ協奏曲のピアノって凄いいっぱい鍵盤を弾いているんですね。
情感豊かにキラキラと輝いて、それでいて優しい保母さんのようなゆったりとした包容力とともに
渋川さんの人間性の様なものを醸し出していて、夢見心地の様な気分にさせられました。
続く2楽章、個人的には一番好きな楽章です。
鉛色の空の下に霞がかかった台地が広がる、
そしてその懐かしの故郷を遠くから思い出す私がいるって感じかな。
ピアノとフルート、クラリネットの音が静かに奏でられるところは本日二度目の涙。
市原フィルは作曲家の持つ独特の音色を演じ分けるのがすごく上手だと思います。
そして本日も実に見事に大地の霞の様などことなく憂鬱な響きを演奏していました。
特に木管楽器の響きは深くしみわたりました。
遠くの故郷を思うその表情の如く、渋川さんが天を見上げ静かに演奏されているのを見つつ、
遠い昔を思わせる様な過度に感情に走ることのない均整の取れた、
それでいてしっとりとした見事な演奏にただため息でした。
途中コントラバスやパーカッション、管楽器が短く強く演奏して終止するところでは、
寸分たがわず見事に全員で決める瞬間が、
あたかも真央ちゃんが四回転を決める様な緊迫感があって非常にかっこよかったです。
そしていよいよ3楽章、わたしだけではなく多くの人が、クライマックスでの
ピアノのソロ演奏の後のドーンというあの管弦楽の響きを期待しているに違いありません。
本格的なラフマニノフの管弦楽を楽しむことが出来るのはこの楽章ですが、
特に本日は弦セクションの響きが過去にないほど美しく、
協奏曲の伴奏者として落ち着いて、控えめに、しかしどこまでも限りなく包み込むような演奏が
印象に深く残りました。
そしてクライマックスの部分では金管が明快に期待通りのロマンあふれる響きを聴かせてくれて、
更にはわたしのアイドル、クールビューティー若菜さんが左側面のティンパ二を見事に奏してくれて
120%大満足でした。
2.チャイコフスキー「くるみ割り人形」全幕より抜粋
指揮の辻博之さんって、こんなにおもしろいとは知りませんでした。
お話も声楽家出身らしく表情豊かに楽しく聴かせていただきました。
しかし何といってもその指揮の姿には絶句で、まるで音楽を形態模写しているような姿は、
日本の指揮スタイルの新ジャンルを構築するのではないかと思う位のパワーがありました。
演奏する皆さんは気が付いておられるか分かりませんが、
第一部の中盤位から俄然みなさんが音楽に乗ってきていることがわかりました。
音楽はエンターテイメント、楽しくなければ音楽ではないというような雰囲気が伝わり本当に熱くなって聴かせていただきました。
バレエ音楽と管弦楽の違いは、ダンサーがステップを踏めるようなテンポか、
また音楽単独の存在感に終始するのではなく、ダンサーや美術の魅せる部分といかに調和するかという点もあるかと思いますが、
よく聴く機会のある花のワルツでは組曲にはない音楽の裏にある物語を演出するような音楽作りを感じました。
アンコール ハチャトリアン「ガイーヌ」よりレズギンカを聴いて思いました。
辻博之さんはドゥダメルみたいに表情豊かな演奏を目指しているのだと。
次回はぜひアンコールにエスタンシアをよろしくお願いします。
2016.4.17
篠原謙一

2016年4月17日市原市民会館
指揮:辻 博之
ピアノ:渋川ナタリ
朝から風が強く、小雨まじりの天気だったが多くの人々がホールに集まりました。
1.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
CDではもう数百回聴いているが、生演奏は初めて。
期待を込めて会場に向かったが、本当に本日会場に行って良かったと夕食後の今もしみじみ思っています。
1楽章冒頭の和音から渋川さんのピアノのゆったりとした優しさの様な表情が会場に広がりました。
そして弦のあのメロディーが流れました。
控えめに繊細に、聴衆の耳を澄ますのを促すように、音楽が始まりました。
うっ、上手い、こんなデリケートな表情、今までの定期で聴いたことはない!
1st弦と2nd弦のみなさんの体がゆらゆら揺れている。
このつかみの1分間だけで僕はまず一泣きしてしまいました。
あたりまえだけど、ラフマニノフのピアノ協奏曲のピアノって凄いいっぱい鍵盤を弾いているんですね。
情感豊かにキラキラと輝いて、それでいて優しい保母さんのようなゆったりとした包容力とともに
渋川さんの人間性の様なものを醸し出していて、夢見心地の様な気分にさせられました。
続く2楽章、個人的には一番好きな楽章です。
鉛色の空の下に霞がかかった台地が広がる、
そしてその懐かしの故郷を遠くから思い出す私がいるって感じかな。
ピアノとフルート、クラリネットの音が静かに奏でられるところは本日二度目の涙。
市原フィルは作曲家の持つ独特の音色を演じ分けるのがすごく上手だと思います。
そして本日も実に見事に大地の霞の様などことなく憂鬱な響きを演奏していました。
特に木管楽器の響きは深くしみわたりました。
遠くの故郷を思うその表情の如く、渋川さんが天を見上げ静かに演奏されているのを見つつ、
遠い昔を思わせる様な過度に感情に走ることのない均整の取れた、
それでいてしっとりとした見事な演奏にただため息でした。
途中コントラバスやパーカッション、管楽器が短く強く演奏して終止するところでは、
寸分たがわず見事に全員で決める瞬間が、
あたかも真央ちゃんが四回転を決める様な緊迫感があって非常にかっこよかったです。
そしていよいよ3楽章、わたしだけではなく多くの人が、クライマックスでの
ピアノのソロ演奏の後のドーンというあの管弦楽の響きを期待しているに違いありません。
本格的なラフマニノフの管弦楽を楽しむことが出来るのはこの楽章ですが、
特に本日は弦セクションの響きが過去にないほど美しく、
協奏曲の伴奏者として落ち着いて、控えめに、しかしどこまでも限りなく包み込むような演奏が
印象に深く残りました。
そしてクライマックスの部分では金管が明快に期待通りのロマンあふれる響きを聴かせてくれて、
更にはわたしのアイドル、クールビューティー若菜さんが左側面のティンパ二を見事に奏してくれて
120%大満足でした。
2.チャイコフスキー「くるみ割り人形」全幕より抜粋
指揮の辻博之さんって、こんなにおもしろいとは知りませんでした。
お話も声楽家出身らしく表情豊かに楽しく聴かせていただきました。
しかし何といってもその指揮の姿には絶句で、まるで音楽を形態模写しているような姿は、
日本の指揮スタイルの新ジャンルを構築するのではないかと思う位のパワーがありました。
演奏する皆さんは気が付いておられるか分かりませんが、
第一部の中盤位から俄然みなさんが音楽に乗ってきていることがわかりました。
音楽はエンターテイメント、楽しくなければ音楽ではないというような雰囲気が伝わり本当に熱くなって聴かせていただきました。
バレエ音楽と管弦楽の違いは、ダンサーがステップを踏めるようなテンポか、
また音楽単独の存在感に終始するのではなく、ダンサーや美術の魅せる部分といかに調和するかという点もあるかと思いますが、
よく聴く機会のある花のワルツでは組曲にはない音楽の裏にある物語を演出するような音楽作りを感じました。
アンコール ハチャトリアン「ガイーヌ」よりレズギンカを聴いて思いました。
辻博之さんはドゥダメルみたいに表情豊かな演奏を目指しているのだと。
次回はぜひアンコールにエスタンシアをよろしくお願いします。
2016.4.17
篠原謙一
