夜が咲く手前

誰かが泣けば開かれる

それは突然 ぽっかりと

穴が広がるように

違うモノが そっと 紛れ込むように

昨日見た景色は夜に溶け

一宵(ひとよい)の月にからめとられて

また一人 姿は影(かげ)る

明日(あす)も 一年(ひととせ)も 夕暮れ刻(どき)の闇

欠けることなく それは来る