今日はちょっと語りますよ~
長いぜぇ~(笑)
ピアリスも開店して
現在20年目に入っているわけですが‥
そもそも開店した平成5年は、バブルが崩壊し、日本経済がどんと落ち込んでいく初期の頃でした。
そんな中、ピアリスが最初に開店した店舗は
ご存知の方も多いですが、東門筋の古い雑居ビル。
そのビルにエレベーターは無く、5階建ての5階だったピアリスに行くには、階段を54段も上らなければなりませんでした

素でも階段54段はキツいところへ、たいていスナックに来るお客様は2軒目3軒目‥
『本当にお客さん来てくれるんだろうか』という不安は相当なものでした。
しかも
急に思い立って始めた為、開店の案内を送れる方は、その半年前まで5年程バイトしていた飛沫というお店で名刺を頂いていた、わずか100人程のお客様だけ。
広告やビラによって集客出来るお客様の数というのは、だいたい蒔いた数の3%と言われています。
ということは
100人に案内状を出しても、ご来店頂けるお客様はわずか3人‥?
やっていけるわけない‥
私はバカか?
考えれば考える程恐ろしくなりました

もし今誰かに
『名刺100枚しか無くて、階段で5階の店をオープンしようと思うんだけど。』と
相談されたら
『絶対やめとき~

』
って言うでしょう(笑)
私も若かったったんですね‥(笑)
良くも悪くも
若いがゆえに持っていた無謀さと勢い、そして世間知らずでした。
『やってみないとわからない!』
『やってみたいからやるだけ!』
『難しいからこそ価値があるってもんよ!』
そんな感じです(笑)
開店準備は一人で始めました。まだネットも携帯も普及していなかった当時、
何から何までアナログ的

資金力ゼロだった私に余裕は無く、夜は知り合いのスナックでバイトさせてもらいながら、昼間は開店準備。
契約から開店まで2週間という、これまた無謀な設定をした為、毎日朝から晩(深夜)まで寝る間も削りフル回転

営業に必要な各種手続きに奔走し、業者との打ち合せ。
合間を見て買い物しては
食器から備品・装飾品に至るまで、毎日毎日54段の階段を往復して運びました。
あっと言う間に2週間が過ぎ、いよいよ開店の日。
誰が来てくれるのか‥
いや『誰か』来てくれるのか‥
不安9割
希望1割
‥
7時開店なのに
8時半になってもだ~れも来ない‥
8時半を過ぎてやっと来てくれたのは
知り合いのマスターが1人だけ

ちなみに記念すべき初のキープボトルは、マスターが下ろしてくれたマーテルだった事を憶えています。
でも他は誰も来ない‥
マスターと喋りながらも
気はそぞろ‥
やっぱり無理だった?
そりゃそうか‥
5年もバイトしていた飛沫を辞めたのも突然で
お世話になったお客様に何の挨拶もせず
今更開店案内を送ったところで、
『こいつ誰?』
だろうな‥
いや、例え憶えてくれていても、あんな不義理な辞め方で、今更誰が来てくれるはずがあるだろう‥
開店したばかりのお店に
全く賑わいは無く
悲愴感だけが漂い始めた9時を過ぎた頃‥
2組目の懐かしいお客様が来てくれました。
感動の再会を喜んでいると、続けて3組目‥
4組目‥
5組目‥
カウンター9席しか無かったお店は、瞬く間に満席になり
それでもまだ次から次へと
懐かしいお客様が来てくれました。
そして、入れないお客様の為に、今来たばかり、まだ水割り作ったばかりのお客様が次々に席を譲ってくれる。
入ってこられた次のお客様に気付くと
先に座っているお客様が
『ここもう出ますから~!』と即座に声を掛けて引き止めてくれる。
そしてセット料金とキープ代を置いて
『またゆっくり来るから頑張れよ

』
と言って帰っていく。
キャーッ
男前過ぎる~


あの日の全員に惚れました

(笑)
有り難さと申し訳無さと大混乱の中
この日‥
そんなお客様の心遣いが
次の方、また次の方へと連鎖し
たった9席しか無いお店に、延べ40人以上のお客様がご来店。
誰一人入れなかったお客様は無く
全員がボトルを入れてくださり、ほとんどの方が数十分という短い滞在時間で帰っていかれました。
そしてこの状態は翌日以降も続き‥
結果、開店から1週間で
案内を送ったお客様の9割以上がご来店くださったのでした

今も忘れないお客様の言葉が有ります。
『何も言わんと急に辞めて~淋しいもんやなと思とったら「開店します~」ってヒョウヒョウと案内送ってきて‥なんやねんオマエは~



』
『もう会われへんかと思とったけど‥よかった

頑張れよ!長く続けろよ!』
胸が熱くなり
涙がじんわり‥
そしてその後もみなさん
友達や同僚を連れて何度も足を運んでくださいました。
その方々の同僚やお友達が、また別の同僚やお友達を連れて
いつしか
9人しか座れないお店に
カウンター内での立ち飲み覚悟で20人の団体予約や
一日に3組の団体貸切予約
そして、
満席で入れない時には
『また階段上がるのしんどいからここでええわ。』と
ドアの外の踊り場や階段で飲んで待ってくれる人達もいらっしゃいました(笑)
あの頃の事を
私はこれからもずーっと忘れないと思います。
全力をピアリスに注ぎ
今までの人生で多分
一番自分が自分らしかった頃。
そして
心から“感謝する”という気持ち。
お店というものは、お客様が作ってくださるものだということ。
そんなたくさんの事を教えて頂き、学んできた気がします。
あれから20年。
いろんな事が有りました。
お客様も変わり
スタッフも変わり
私の生活もいろいろ変わりました。
時々初心を忘れてしまうことも有りました。
でも
『長く続けろよ!』
何かの瞬間
あの心のこもった激励の言葉を思い出す事が有ります。
みんな酒好きで
バカ話好きで
(失礼

)
な~んて事の無い会話をしながらも
その人その人の
為人に触れる世界‥
私はこの世界が大好きです。
今
この大不況にも関わらず
そして
何の義務も責任も無いのに、自らピアリスに足を運んでくださるお客様がいらっしゃいます。
この先どうなるのか判りませんが
先日のブログに書いた
16歳の子の“夢”の話から
ふと昔の事を思い出し‥
私の夢は何だろう~と思った時
多分それは
これからもずっとずっと
ピアリスを続けていくことなんだろうなと
染々思いました。
まだまだ書きたいことはたくさん有りますが(笑)
また続きはいつか‥

長くなりましたが
最後まで読んでくださって有難うございました

Tomoko
