ピアニスト脳の作り方:脳のしくみから見たピアノ上達のコツ
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バリー・グリーン、ティモシー・ガルウェイの『演奏家のための「こころのレッスン」』という本があります。

 

原題は ” ザ・インナーゲーム・オブ・ミュージック ” です。

本文でもそのまま「インナーゲーム」とされていますが、あえて訳せば

 

「音楽における、内面のゲーム」

 

となりますね。

 

もともと、「インナーゲーム」は著者がテニスや、スキーの上達のために生み出した考え方です。

それを、音楽の上達にも応用できるとして書かれた本です。

 

インナーゲームにおいて注目に値するのは、自分自身の内側から出てくる声が、パフォーマンスを邪魔しているという考え方です。

 

疑い、恐れ、心配、不安、懸念、気がかり

 

などを訴える声が、本来の実力を発揮するのを妨げているというのです。

(このような思考をする自分を「セルフ1」と呼んでいます。)

 

 

 

セルフ1は、いわゆるじっくり一つ一つ考えるための意識的な思考です。

(本の中では、著者による独自の定義がされています。)

 

スポーツや楽器演奏の際には、リアルタイムで、大量の情報を、同時並行的に処理しなければいけません。

このようなとき、意識は役に立つよりもむしろ邪魔をすることが多いです。

 

意識の仕事は「シミュレーション」です。

想定して、準備するためのシステムです。

 

リアルタイムの「実行」は意識の仕事ではないのです。

実行は無意識の仕事です。

 

意識でどれだけ上手に実行しようとしてもなかなか上手くいきません。

そもそも役割が違うのです。

 

いかに「意識に邪魔されないで、自由に創造的に実行するか」がカギになります。

 

一番のポイントは

「意識は実働隊ではない」と割り切って、意識の声を無視することです。

 

自分の内面から湧き出る声なので聞こえてしまうのはしょうがないのですが

訓練で上手く受け流せるようになっていきます。

(まさにインナーゲームです。心の内側のゲームを訓練によって上達させるということです)

 

本文から引用~

 

 セルフ1の声を上手く処理する第一歩は、その声がただ単に起こっては消えてゆくものではなく、それに私たちがいちいち反応しているということを認識することです。セルフ1に話しかけられると、私たちはそれに反論する傾向があり、そうなると困難が倍増してしまうということをよく理解するところに解決が始まることになります。

 セルフ1が話しかけているだけでなく、それに対する私たちの反応こそが、音楽に集中することを邪魔しているのです。

 

~引用 (バリー・グリーン、ティモシー・ガルウェイ『演奏家のための「こころのレッスン」』p.33)

 

 

 

音楽であれ、スポーツであれ、「技術よりもメンタル」ということはよく言われます。

プロの第一線のプレイヤーほど強く意識しているようです。

 

「技術はあって、さらに上乗せしてメンタルが強いとなお良い」

というものではありません。

 

メンタルありきで、技術が磨かれていく」ということです。

 

私たちは、「技術を習得するには、よく考えて、正しく・順序よく訓練しなければいけない」

と、思いすぎているところがあります。

 

実際は、いかに「よく考えないか」が大事だったりします。

 

メンタルこころのレッスンインナーゲーム

すなわち、このブログの主旨で言えば脳の使い方が重要なのです。

 

 

 

 

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