貧しい家族



抱きしめていたら

この手で抱きしめていたら

あの子達が銃を手にする前に

誰もが抱きしめていたら

あの子達が親を失う前に

誰もが気づかず恐怖を杖にして

言葉は銃に置き換え破壊の先に幸福があると信じてる

自由があると信じた其処は幸福に見えず

世の中は断片だけを見せて

真実なんて本当は誰も見たこと無い

悪魔なんてこの世に居ない

いるのは恐怖に慄いた可哀想な人間

そこにいる誰かが其処に居ない私が

恐怖が和らぐまで抱きしめていたら

泣きじゃくるその子を

強く強く

抱きしめていたら












心の片隅にこっそりと置いてきぼりの思い出に
 
暖まった空がすくい上げる
 
幸せを誘う笑顔で
 
安心して視線を合わせた瞬間の
 
ポカポカと温まるこころ
 
ほっぺが桃色に染まり
 
恥ずかしさと幸せすぎる居心地に
 
初めての戸惑い
 




ここから離れたくないのに
 
恥ずかしさで逃げてしまって
 
周りの景色が翔んでしまい
 
あの温かな笑顔が春の空に溶け込んで
 
長い長い時間
 
心の片隅を温めてたのか
 
生きていたから
 
同じ春の空で思い出せたこと
 
生きていたいから
 
幸せな瞬間を忘れずにいる










あなたが願おうとしない明日を私は少しだけ意地悪をする
 
それは通り過ぎようとする信号機を赤にしたり
 
傘を忘れたあなたに雨を少し落としたり
 
ああ又かとあなたは素直に明日を諦める
 
私の意地悪はたまにするだけなのに
 
あなたはずっとみたいに私を恨んでる
 
ちがうよ
 
ほんとにたまにだから
 
私ねずっといい子にしてるとボンッて爆発しそうになるの
 
そんな事になれば何もかもが失くなっちゃうでしょ
 
あなたのしょげた顔も見られなくなるもの
 

だからたまに少しだけ意地悪してあげる







伸ばした手が触れる距離で

あなたの心を包めたら

熱い血が流れる温度で

冷たくなったあなたの手を温められたら

いくら夏に似た日差しが降り注ごうと

蘇ることのないあなたの記憶が

私の胸の中で凍てつく

窓の外が熱く燃えつくほど

ますます冷たさを増してゆく

この世に在る鋭利な刃物で

張り巡らされる根っこのようなあなたの記憶を

丁寧に丁寧に剥せる事が出来れば

幸せのハードルも下がり

呑気な毎日がコントのように笑えるのかも