Twitter上で珍しく「今週のNewsweekに面白い記事が載っている」という情報が飛び交っていたのでおおよそ10年振りくらいにNewsweekの今週号を買ってみました。今週号のメインテーマはイラク情勢なのですが、全体的には憎悪がテーマになっていたように見えます。
憎悪、英語で言うとHaterdー古参のMtGプレイヤーでしたらテンペスト時代に2ターン目に《暗黒の儀式/Dark Ritual》→《憎悪/Hatred》→《走り回るスカージ/Skittering Skirge》で突然の死を迎えた方も少なくはないでしょう。本題とは関係ありませんが、『自身の命を削って全力で相手を殺す』というフレーバーが詰まった憎悪というカードは言葉が示す狂気をふんだんに詰め込んだ逸品ともいえます。
今週号のNewsweekでは世界各国の排外運動を特集として挙げており、日本人記者により日本国内の排外運動事情も書されています。日本国内ではここ数年、反中国・反韓国運動がそれなりに根付いており、排外運動の危険性を憂慮した方々がカウンターとしてそういった集団を攻撃する流れが出来つつ有ります。しかし、私はどちらもやり方が良くないという姿勢を持っています。理由としては、どちらも暴力を起点とし理性を否定する反知性主義的な運動を是としているからです。特にカウンター側の暴力性が目立つ状況となっており、下手したら在特会の方がレイシストしばき隊より理性的なのではないでしょうか。Newsweekの記事では反レイシズムの危険性がいくつか挙げられており、MozillaのCEOのBrendan Aikの件が先立って紹介されています。やってることは間違っていないのにやり方が過激すぎてドン引きされるというのはどうやら世界共通なのかと読んでてため息をつくなど。
日本のケースでは『「反差別」という差別が暴走する』という強烈な印象を叩き付ける記事タイトルで在特会VS反ヘイト団体の例が示されているのですが、訳あってこの辺の話はTwitter上でリアルタイムで見ていたので「ああ、やっと現実が紙媒体に印刷されたのか」という気分でした。元々私は反ヘイト団体およびそこに関わってる人たちの暴力性と他人の褌で相撲を取る根性が大嫌いで前の記事や3/21に新宿アルタ前で変な騒ぎがあったときも
といったことをpostするくらいには呆れています。
この手の反ヘイト団体が危険だと思えるのはひとえに『正義を振り翳す暴走族』に成り下がってしまった点だと言えます。「俺達は正しい!だからお前らは悪だ!叩き潰しても世間は俺たちを認めるんだ!」と言わんばかりに正義を振り翳す光景はぶっちゃけ彼らが忌み嫌うナチス・ドイツの反ユダヤ主義と寸分違いません。皮肉な話ですが。
19世紀の哲人、Friedrich Wilhelm Nietzscheは名著『善悪の彼岸』にてかの名言「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」を残しているのですが、彼らは憎悪を撒き散らすあまり憎悪に喰われて彼らが忌み嫌う怪物そのものになってしまったのかもしれません。怖い話ですが。
21世紀にまで誰かにメッセージを伝える時に暴力や憎悪をエネルギーにする習慣を持ち込むのは時代錯誤だし通用するときは通用するがしっぺ返しが怖い(ちょっとでも発言の瑕疵が見つかると一気に瓦解するので)のでもうやめませんか、というのが今回の記事の趣旨です。
怒りのマーケティングより前向きなマーケティングですよ!
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#余談ですが今朝方本誌でも扱われていた有田芳生氏がTwitterでマジギレしていたのは「あっ図星だったんだ」と紙面読んでから理解

