存在のありがたさ 触れてみなければわからないことはたくさんある。 太陽のような色をして、繊細な花びらを湛えていても、 あの花が本物だったのか、フェイクだったのかを私は知らない。 それでも花は、傍を通る人たちを澄ました華やかさで和ませるのだろう。 無機質な場所で、ありえない生けられ方で、存在のありがたみを訴えるのだろう。 手を伸ばして確かめるには、あの花はガラスの向こうで、私には遠すぎた。