フォトの葉-tenshi




あの頃を思い出してほしい。


明るい未来。穏やかな空間。つつがない幸せ。
すべてがここにあり、ずっと続くものと思っていた。
否、もしかしたら続いているのかもしれない。


しかし何かが変わった。

家の中の何かひとつのものを欠かした。
私たちは何かを諦めた。
毎日の中に必ず組み込んできたひとつのものを失った。


なぜだろう。


彼はその右手に幸せと希望の象徴を握りしめていたはずなのに。
哀しいかな、その手は埃と雑巾で覆われていた。


彼は知っているのかもしれない。
この家の変化を。