「何故、号令をかける時に大きな声を出すかご存知ですか?」
旧海軍兵学校、現在の海上自衛隊第一術科学校の見学に参加した時に
案内をしてくれた元海上自衛隊の方からの質問だった。
「それは、隊員の命を守る為です。
大きな声でみんなに伝わる様に指令を出さないと、隊員の命に関わるから大きな声を出すのです。」
当たり前の事かもしれないが、「なるほど。」と感心してしまった。
会社の中でもはりきって大声を出すと恥ずかしいやら、
外野の声を気にしてか小さな声でもぞもぞ話す人が多い中、明瞭な答えにちょっと感動。
広島城もあるけれど、やはり広島と言えば海軍のイメージの方が私には強いかな?
(はっ、広島城を記事にしていないことに初めて気付いた・・・)
と言う訳で、広島県南部、呉から更に橋を渡って入り江の奥へと進んで行った先にある
江田島市の海上自衛隊の第一術科学校を訪れた。
個人の見学であれば事前の予約は不要で、見学料も無料と言うから素晴らしい。
ただ、現在も海上自衛隊の幹部候補生の教育訓練が行われている自衛隊施設なので
出入口は普通の自衛隊の駐屯地と変わらない。
兵学校跡地を見学に来たのか、自衛隊の見学へ訪れたのかだんだん分からなくなる。
門の前で氏名を住所を記入し、見学者の赤く丸いバッチを付けていざ中へ・・・
しばらく待合所で見学の時間が来るまで待機した後、
元海上自衛隊で福岡出身のガイドの方に案内されて施設見学へ出発。
まず、最初に「大講堂」。
ちょうど桜が満開でそれはそれは絵になる建物ではないか。
最初見た時にはあまりにもコンクリートが奇麗だったので造り直した物なのかと思ったら、
大正6年に造られた物だとの事。
最近磨き直したと説明していただいたが、それでもあまりにも奇麗で驚いた。
大正時代のコンクリートは不純物が少なかったのか、良いコンクリートが多い気がする。
建物も美しいし、この時代の建物のセンスの良さを感じずにはいられない。
主に、入学式や卒業式と言った儀式に使用しているもの。
こちらが表玄関。
防衛省のお偉い様達はコチラから入るんですと。
で、私たち見学者はこちらの「裏口」から大講堂の中に入へ。
![旅するカメラ](https://stat.ameba.jp/user_images/20120422/16/photokarin/f0/58/j/o0600040311930236506.jpg?caw=800)
裏口だって立派な物ですよ。
私たち、一般見学者は裏口からで十分満足。
中は、これまたカッコいい!
そして、広い!!
2000人収容可能の広さ。
天井も高く声が響き渡る。
ここはNHKのドラマの「坂の上の雲」や、映画「連合艦隊司令長官山本五十六」のロケでも使われた場所。
そう言えば見た様な・・・
何も手を加えなくても、映画のセットの様な講堂でしたね。
外に出た後、見学者達が踏み荒らしていった白い砂を直ぐ様奇麗にならしていたのが印象的でした。
その大講堂の横にあるのが、幹部候補生学校庁舎(旧兵学校生徒館 通称:赤レンガ)。
江田島へ来たからにはここで写真を撮らなければならない旧兵学校のシンボル的建物。
山本五十六の映画の冒頭シーンでも使われてた。
長さは144メートルもあるらしい。
ちなみに、ガイドの方の説明によると、戦艦大和はこの2倍の大きさだったとか。
![旅するカメラ](https://stat.ameba.jp/user_images/20120422/16/photokarin/15/d6/j/o0600040311930313207.jpg?caw=800)
この空レンガは高温で焼かれているので、表面はすべすべだと説明を受け、
見学者みんなでレンガを触る。
良いレンガ使ってますな。
144メートルを横から見ると、果てしなく長い廊下が続く。
その、入り口付近に大きな鏡が一枚掛けてある。
説明によると海上自衛隊の施設にはこの様な大きな鏡が何ヶ所も掛けてあるらしい。
これは海軍時代からの習わしで、鏡の前を通る時はピシッと身なりを整えて確認して通る為だそう。
そう言えば、海軍さんのイメージって小綺麗でカッコいい感じですもんね。
見学コースは隣りにある「教育参考館」の中の資料を見学して終了。
※ちなみに、教育参考館は撮影禁止。
教育参考館の前には戦艦大和主砲砲弾や特殊潜航艇(甲標的)等も。
横断歩道の様な線が引かれている場所は、歩く際の歩幅75センチに合わせて線が引かれている。
なかなか大股で一所懸命歩かないと線の歩幅で歩けない。
奇麗に歩くとやはり見た目もカッコいいもんですよね。
中を歩いていた制服姿の学生さん達もなんだかとってもカッコ良く見えた。
やはり制服を着ると気持ちが引き締まり、皆から見られていると言う意識が高まるから?
白い帽子がこれまたカッコいい。
確かに海軍から引き継いだ誇りと伝統は、今もしっかりと受け継がれている。
なんて事を思った見学だった。