短編6作品 



「台風」 過去と現在が交錯した作品。


「雪が降る」 この中では、一番のお勧め。さすがタイトルになってるなって感じ。

        出てくる二人の中年男性が、すごくかっこいい。

        もちろん、見た目ではなく、内面が(笑)

        この作品は、もっと膨らませて、長編で読んでみたいなと思いました。


「銀の塩」 島村という主人公の名前をみて、もしやと思って調べたら、

       やはり「テロリストのパラソル」の彼のようでした。

       さすが、島村さんって感じです。


「トマト」 正直、意味不明でした。でも嫌いではないです。


「紅の樹」 ちょっとよくありそうなお話って思ってしまいました。

       主人公の堀江より、遠山さんの方がしぶくて、私は好み。

       ありがちって思いながらも、最後はやっぱり切なくなるのは、

       さすが、藤原伊織作品。


「ダリアの夏」 複雑な家庭・人間関係の中、成長していく少年。

         その少年と出会い、自分も少し前向きになった主人公ってところでしょうか。

         出てくる少年の母親が、なんとも身勝手で腹が立ちますが、

         なぜそうなったかは、わかる気がしました。



ストイックで、おっとこまえな男性と、不思議な女性。

それが絡み合って、おもしろい作品になってるんだろうなって思いました。