『旅遊のすすめ』~団長のブログ~ -37ページ目

『旅遊のすすめ』~団長のブログ~

自分なりに気ままにチベットと向き合っています。
上海の田子坊でChagamo Craft という雑貨屋をやっていました。
目黒区自由が丘にチベット仏教美術・諸国民芸雑貨のお店を始めます。http://chagamocraft.ocnk.net/

アムドの名刹、甘粛省夏河のラプラン寺。
初めて訪れたのは、十数年前になる。
早朝の肌寒い時間帯、おばあちゃんに手を繋がれ、一緒にコルラをしていたチベットの少女の笑顔が僕の記憶に今も残る。


古くから西域への玄関口でもある甘粛省の省都、蘭州からバスに乗り4時間程でたどり着けるラプラン寺のある夏河(サンチュ)は今でもディープチベットを感じさせてくれる、東北チベットアムドの玄関口だ。
21世紀に入った頃より、中国国内から大挙して旅行客がチベット文化圏へ押し寄せるようになった。 今では団体旅行客もバックパッカーも漢民族で溢れている。
中華圏の人々にとっては、同じ通貨や言葉が通じ、ほとんどの人はパスポートや通行証も必要としないチベット圏への旅行は、ちょっとした異文化を見聞する目的ではとても行きやすいのは当然かもしれない。

その反面1990年代後半に最も勢いを見せていた日本人や韓国人の旅人たちは、バックパッカーブームが去ると同時に姿を見かけることが少なくなった。

「継続は力なり。」
何事も地力をつけるには信念を持って続けるしかないのだ。
チベット仏教徒の巡礼を観ていてそう思う。

旅にしたってそうだ。
世界一周でも同じ地域に通い詰めても、長期間でも短期でも、旅スタイルを変えても何でも良いから続けることによって、見えてくるものは非常に多い。
例えば、それを追及しそれでご飯を食べることが出来る職業の一つが民俗学者だ。
今でも民俗学者という職業にはとても憧れている。

自分なりの方法でチベットと関わり続けたいと思い続け、仕事や日常生活の合間を縫うようにして通い詰めた結果、徐々にではあるが僕の周りの生活環境がチベットを軸になってきている。
ここ数年でチベット人の友達も随分増えた。 相変わらず、チベット語は学生時代に挫折して以来なので、彼らとの会話は中国語になってしまうが、さしあたって不便なく意志疎通できるようにはなった。


最近はカムやギャロン、デチュン方面ばかり通っていたが、アムドの友達の村でお祭りがある事もあり、今回青海省のレゴン(同仁)という町を訪れることにした。
レゴンへは青海省の西寧からバスで簡単に行けるのだが、久しぶりに夏河のラプラン寺を訪れてみたくなり、少し寄り道をして行くことにした。
ラプラン寺のある夏河は標高3000mのほど良い高地にあり、僧院から東に1kmほどに渡って、一般の民家・商店が立ち並ぶ小さな町だ。 チベット人の他にイスラム系の回族の人たちも多く住む。 
ちょうど、ラプラン寺のコルラ道沿いに別のチベット人の友達が、タンカ(チベット仏画)を描きながら暮らしているので訪ねていくと、天気が良いから近所の人たちと近くの草原でテントを張り遊んでいるという。 
朝、上海から飛行機で蘭州を目指し、そのままバスで夏河に着いたと思ったら、いきなりチベットの草原でのリアルキャンプのお誘いだ。 ラプラン寺には夕方に着いたのだが、日没が夜の10時ころという事で、さっそく草原に遊びに行く。
キャンプというよりはピクニックの延長みたいなものだが、着くなり羊肉のぶつ切りと自家製の酸味が効いたヨーグルトを頂く。 ナイフを渡され、ごつごつした骨付きの肉をむしり取り頬張る。 まるで山賊だ。
昔はこの地域でもヤクや羊の遊牧をして、草原に暮らすチベット人も多かったのだろう。 
とても綺麗な月夜で空気が澄んでいるので、人工衛星を見ることが出来た。

翌朝、チベット人の友人家族と待合わせをして、ラプラン寺をコルラする。
ゴンパの周囲をマニ車を回しながら早足で歩き、一つ一つの僧院を五体投地を行い、ヨーグルトとサン(チベットの香草)を供えながら回る。 ざっと一周すると2時間半はかかるだろうか。汗びっしょりになる。
これを毎朝の日課としているチベットの爺さん婆さん達はそうとうタフだと思う。

コルラを終えると、友人家族といったん別れ、小さな町に50軒以上はあるチベット仏具屋を一軒一軒覗いていく。 いきなり訪れた町のチベット仏具屋などで、掘り出し物が買えることは経験上まず無いのだが、お店の店主と話し込んでいくうちに店頭に出ていない(奥の部屋だったり、二階とかにある)物をいろいろ見せてもらえることはよくある。

チベット密教美術や仏具に関心のある僕としては、こうした現地の実店舗や路上売りの実態をリサーチする事は趣味半分、結構勉強になる。

町の散策がひと段落すると、再び草原まで友達を訪ねに行った。
昨日に増して、人がいて老若男女20人以上の輪に入れてもらう。

途中から話が盛り上がり、草原の向こうの小高い丘にある古城跡を目指そうという事になった。 何でも800年ほど前にモンゴル帝国に寄って滅ぼされた、チベット系の城跡だそうだ。 『今では鉄柵が張り巡らされ、普段は誰も行かないから、いろいろ遺物があったり、もしかしたらジービーズ(チベット天珠)とかも拾えるかもしれないぞ』と話がやたら膨らんできた。
メンバーはラプラン寺のラマ僧、タンカ描き師、近所のおっさん、と僕の四人だ。 
橋の無い河を渡り、鉄策を乗り切り、道なき崖を登る。
 ラマ僧に助けながら、息を切らしながら登りきった丘の上からの大草原の景色は、まさにアムドの空だった。 
 
 結局、陶器のかけら位しか拾えなかったが、悠々の大地にそびえ立っていた西域の歴史を垣間見ることができた。
『旅遊のすすめ』~団長のブログ~

夏河からバスに揺られて4時間ほどでレゴンの町に着く。
今では、町の中心部はかなり開発されて閑散としているが、もともとここは二十数か所の集落が集まってできた町だという。

中心地からほど近いところにあるゴマル村に僕の友達が数人いる。
さっそく、訪ねて彼らの実家や村のゴンパなどを案内してもらう。どこもしっかりとした家の造りだ。
毎日、友達の実家でごはんをごちそうになる。 満天の星空のもと中庭での食事は最高だ。 
村に一つしかない商店には、夜になると若者(男ばっかり)でいっぱいになる。 三日も顔出せば、村の若者ほぼ全員と顔見知りになる。 
最近、彼女が出来たという若者がそこにたむろしている皆に気前よく、ビールをふるまう。 

翌日、レゴンのサティ村というところで、ルロ祭りを観に行く。 ルロ祭り(六月会)というのはチベット各地であるお祭りで、レゴンでもいくつかの村で行われる。 それぞれの場所で数日間にわたって行われるので、特徴があって面白い。
国内外からの観光客も多いのだが、場所や日程をずらせばかなりローカル色な感じでお祭りを楽しむ事はできる。

シャーマンが神卸を行い、着飾った村のチベット人達が色々な踊りを舞う。
チベットの土着信仰も絡んだお祭りだ。

レゴンからの帰り、西寧の近くにあるタール寺に立ち寄る。 
タール寺の門前町に知人が住んでいるので、挨拶がてら訪れた。

タール寺には初めて訪れたのだが、ここは他の地域のチベット寺院と比べて随分、中華の雰囲気が入っているなという印象だった。
ここでも、早朝チベット人達と共に全ての僧院を五体投地してコルラした。

ちょうどお寺を出る頃、団体観光客を乗せた大型バスが何台もやってきた。
今の象徴的な光景だ。

『旅遊のすすめ』~団長のブログ~

にほんブログ村 旅行ブログ 中国旅行(チャイナ)へ
ブログランキング参加中です。良ければクリックお願いします。

アムドで出会った素敵な物も紹介しています。
かなり僕個人の好みで展開しているネットショップです。
chagamo craft