日本には天皇が昔からいる。
しかしこのことについて疑問をもったり、
批判する日本人はほとんどいない。
世界中の大半の国家は君主国ではなく、
共和国である。
そもそも全ての人間の平等という
近代の原理を徹底するのであれば、
原則として全ての君主政は
廃絶されなければならない。
逆に君主政を存続させるとしたら、
平等の原理を
不完全なままにしておくことを
上回る利点がなければならない。
例えばイランの場合、
近代化を推進する上で
強権の発動と強力な国家元首が
必要だったことがそれだ。
日本の場合はどうか?
裕仁に限って見た場合、
天皇による利点どころか
在位の前半にアジアを大規模に侵略し、
国内外の多数の人民を死なせた。
その被害は甚大だ。
そして裕仁以外の天皇についても、
取り立てて素晴らしい天皇はいない。
むしろ圧政を行った暴君とも言える
天皇が多い。
このような背景を持つ天皇制は
有害なだけだろう。
しかし天皇の存在よりも
はるかに根源的で深刻な問題は
日本人の価値観である。
日本人の大半は、
長上に対しては絶対服従という価値観を
持っている。
これ自体は日本以外にも例があり、
必ずしも否定されるべき価値観では
ないだろう。
しかし日本以外の社会では、
強い命令権には重大な責任が伴う。
それに対して
日本では権限と責任の所在が
一致していない場合が多い。
日本社会の至るところでは、
長上が強い命令権を持ちながら
不利益の責任を負わない事例が
多く見られる。
そして日本社会の階層構造の頂点に
位置するのはもちろん天皇だ。
日本人が天皇の戦争責任について
考えもしないのは、
日本人の異常な価値観が原因だ。
また日本では歴史的に
支配者や権力者は人民に干渉する一方で、
人民の生活を守ることには
無関心だった。
庶民は収奪の対象でしかなかったのだ。
そして収奪される側もそのことを
当然だと思っていた。
このような異常な価値観を
改めない限り日本が普遍的な価値観を持つ
文明国になることはないだろう。
日本は天皇制を廃絶すれば
全てがすぐに良くなるとは思わない。
むしろ多くの困難に直面するだろう。
そもそも天皇は日本の後進性の結果であって
原因ではないから、
天皇制を廃絶しても、
皇族以外の誰かが新たな天皇になり
天皇制が事実上復活するかもしれない、
その見方は完全に正しい。
しかし日本人の価値観を変える
第一歩として天皇制を廃絶することは
十分に意味がある。
日本は可能な限り早く天皇制を打倒し、
文明国としての歩みを始めるべきだ。
その際に少なくとも現行の
国章と国歌も廃絶するべきだ。
天皇制賛成派は、
天皇がいなくなると日本が日本ではなくなる、
という理由で天皇制を支持しているが、
むしろ古い日本を廃絶し、
完全に新しい国家を建設することに
意味がある。
日本の暗黒の歴史を終わらせるのだ。
1人でも多くの日本人が
理性によって真理に近づくことを願う。