今、キリンラガーのCMにYMOが出演し、新曲「RYDEEN79/07」を演奏している。そのCMやメイキングがネットで公開されていることを、知り合いのブログで知った。


 漫画家・江口寿史の公式サイト上の日記でも、この新曲のことを取り上げていた。江口の漫画には、当時YMOの似顔絵がよく登場したものだった。江口の読者だった私には懐かしい思い出である。


 さて、この新曲であるが、そのCMでのコスプレ(詳しくはそのサイト でご覧いただきたい)は、なんともまあ「おじいちゃん」に近づきつつある世代が、昔の芸を再演して自分たちで楽しんでいる、という風情なのである。歌舞伎の世界であれば、中年の脂ぎった芝居を過ぎて、「枯れた芸」に達しようかという雰囲気である。


 でもメロディは死んでいない、と感じさせた。作曲者である高橋幸宏のセンスに由来するのではないかと思われた。以前、YMOのCDをレンタル店に揃っているだけ、すべて聞いたことがあるが、決して量産しない高橋幸宏のメロディは「変わらない味わい」があるように感じられた。まさに「キリンラガー」のCMの世界であるが。残念ながら、残りの二人の曲は、何とも言えない「古さ」を感じるものが少なくなかった。もちろん、それはそれでその当時らしい雰囲気を今に伝えているのだが。


 話題は急にビールの話になるが、私としては「キリンラガー」の飲める店がもっと増えて欲しいと切に願っている。関西に住んでいると、「スーパードライ」という法律上のビールの飲酒を毎回強要される。苦痛以外の何物でもない。


 キリンラガーも、YMOも廃れて欲しくないものだと思った。