ついにエレックレコードの復刻が始まっている。

 私が無類のコミックソング好きにして無類の放送禁止曲好きであることは、ごく一部ではかなり有名になっているが、ようやく我々の手に、あの迷盤中の迷盤、名古屋のローカル・スター、つボイノリオ氏の「ジョーズ・ヘタ」が復刻発売される。

つボイノリオ, 川上了, 小池順一, 池多孝春
ジョーズ・ヘタ

 今回のアルバムにおける魅力は、当時の放送禁止曲「吉田松陰物語」が収録されていることである。この曲は「あっ超ー」には収録されていなかった。

 基本にあるのは言葉遊びの下ネタなのだが、1970年代に彼は果敢にも「放送禁止」という権力に「エロ」で立ち向かい続けた。その魂の記録である。

 ジャケット(LP用)からして、当時の大ヒット映画のサントラ盤と間違えて手に取らせようとしたと思われるデザインである(レコード店のLP陳列棚を思い出してほしいが、LP盤はジャケットを前面にして後ろへ向かって立ててあったために、最前列でないとジャケットの下の方までよく見えなかった)。このデザインだけでも、色ものの雰囲気がぷんぷんする。

 このアルバムが発売された1976年、あなたは何をしていただろうか。