先ほどトリノのテレビ中継で、金メダルのドイツ選手をたたえ、「ドイチュラント・ユーバー・アレス」がノルディック会場に流れました。


 この曲はたしかヒトラー時代から歌われていたはずですが、今もしっかり生き残っています。(話はそれますが、今回の開会式会場は、ムッソリーニ時代の競技場だったとか)


 アンセム(国家の曲ならば「国歌」)は、歴史や背景もさることながら、メロディ自体に不思議な感銘を受けたりすることがあるものです。私はこの「ドイチュラント・ユーバー・アレス」が好きなアンセムの一つです。


 また、ロシアの国歌も結構好きなメロディでして(この曲はなんと、スターリン時代にスターリンを称える歌詞とともに作られた、旧ソ連の国歌です)、大国ロシアの晴れ舞台にふさわしい曲の仰々しさが、一種の劇中音楽のように聞こえるのです。


 あと、イギリス国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」や、南アフリカ国歌「ン・コシシケレリ・アフリカ」も印象深い曲です。(映画「遠い夜明け」をご存知の方ならば、聞き覚えがあるはずです)


 私がアンセムを聞く機会は、オリンピック・F1・映画、といった程度です。F1の表彰式中継で、イギリス・イタリア・ブラジルなどの国歌のメロディーを覚えました。逆にそういう時でないとアンセムを聞く機会など頻繁にあるものではないのでしょう。


 さて、どこかの国では、式典のたびに起立して合唱を強制し、従わない教員は処分されているようですね。まるで北朝鮮や、独裁者の小国のようですが、子どもが何より可哀想ですね。本当に必要だと言うならば、強制せずに身に付けさせるのが教育者の仕事でしょうに。閉鎖空間の中で生徒に対して「愛せ!愛せ!」と押し付けるなんて、まるで「ハーレム男」みたいじゃないですか。


 また、国歌の何を定着させるかが、基本的に分かってないような気がします。

 詞の意味や曲の由来、作曲者の世界観とか、演奏の歴史などを知れば、アンセムはずっと興味深いものになるでしょうし、自国のアンセムが他国と比べてどうなのか、国民が比較や検討も出来るでしょうし。


 私は長野五輪のときに記念発売された、出場国すべてのアンセムを収録したCDを持っています。時々聞きなおしては、各国の歴史と現状に思いをはせるのです。