ALS(筋萎縮性側索硬化症)について調べると、まず出てくるのが
『筋肉が動かなくなる病気』
という説明。
実際、それは間違ってはいない。
ALSの代表的な症状は、手足や顔、喉などの筋肉が徐々に動かしにくくなっていくこと。
そのため、多くの人はALSについて調べると、『動けなくなる病気』という認識を持つと思う。
私もそうだった。
そして家族も、長年一緒にいるのだから、ALSについてはある程度理解しているものだと思っていた。
ところが先日、娘からある質問をされた。
その時私は、
「えっ、今さらそこを聞くの?」
と思った。
でもよく考えてみると、同じような疑問を持っている家族や支援者の人もいるかもしれない。
そこで今回は、ALSについて意外と勘違いされやすいことを書いてみようと思う。
よく誤解されるのが、
温度を感じること
痛みを感じること
痒みを感じること
触られている感覚
だと思う。
『神経の病気なんだから、感覚もなくなるんでしょ?』
と思う人が意外と多いみたい。
ALSは、簡単に言うと
脳から筋肉へ『動け』という命令を伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が障害される進行性の神経難病。
例えば、
手を上げようとする
歩こうとする
話そうとする
そういった命令は脳から出ている。
でも、その命令が筋肉までうまく届かなくなるため、思うように動かせなくなる。
動かせなくても、感じている
ここが大切なポイント。
ALSになっても、
熱いものは熱い
冷たいものは冷たい
痛いものは痛い
痒いものは痒い。
もちろん、
触られた感覚
押された感覚
爪が当たった感覚
も分かる。
つまり、
身体は動かせなくても、感覚は残っている。
これは医学的な話ではなく、あくまで私個人の感覚だけど、
むしろ以前より感じやすくなった気がする。
例えば、
シーツのシワ
髪の毛一本が顔に当たる感覚
クッションの位置のズレ
指先への圧迫
こういった細かなことが以前より気になるようになった。
自分で動いて調整できないからなのかもしれない。
ALSになると、
『動かないから何も感じていない』
と思われることがある。
でも実際は逆。
動けないからこそ、
痛み
不快感
暑さ
寒さ
を感じても、自分ではどうすることもできない。
だからこそ、
動けない=感じない
ではないことを知ってほしい。
ALSは筋肉を動かす神経の病気だから、
身体は動かしにくくなる。
でも、
感覚や気持ちまで失われるわけではない。
痛みも感じる。
痒みも感じる。
暑い寒いも分かる。
そして何より、人の言葉や態度もちゃんと感じている。
もし家族や介護・医療関係者の人がこの記事を読んでいたら、ぜひ覚えておいて。
ALSの人は動けなくても、今までと同じように感じている。
そのことを理解してもらえるだけで、関わり方は大きく変わると思う。
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