ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されると、多くの場合は病院から必要な制度や手続きを案内されると思う。

ただ、私の場合は少し違っていた。

診断がつく前の段階で、しかも脳神経内科ではない別の診療科の先生から「先に手続きを進めておいた方がいい」と勧められた。

そのおかげで、障害者手帳、介護保険、障害年金といった制度を早い段階から利用できることになった。

とはいえ…。

これらの手続きをすべて自分で行ったので、本当に大変だった。

私が実際にやった流れはこう:

それぞれの制度の窓口(区役所や年金事務所など)に行って、申請書類をもらう

書類を持って病院へ行き、主治医に必要事項を記入してもらう

完成した書類を、再び窓口に提出しに行く

審査や認定を経て、やっと制度が使えるようになる

…と、とにかく手間と時間がかかる。

特に体調が安定していない時期だったので、移動や申請そのものが本当に負担だった。

それぞれの制度について簡単にまとめてみた

■ 障害者手帳(身体障害者手帳)

窓口:お住まいの市区町村役所(福祉課など)

医師の診断書が必要

障害の程度によって等級(1級〜6級)が決まる

等級や地域によって受けられる支援やサービスが異なる

全国どこでも使えるのが大きな利点(障害者雇用など)

私自身も、杖を使って歩いていた頃は障害者雇用として働いていた。

東京都では、都営交通(地下鉄・バスなど)が無料になり、さらに本人でなくても同伴者1名まで無料で利用できる制度がある。

その他にも、JRや私鉄の運賃割引、タクシー割引、スマホ料金の割引など、地域や等級に応じてさまざまなサービスが利用可能。

■ 介護保険(要介護認定)

窓口:市区町村役所(高齢福祉課・介護保険課など)

ALSのような特定疾病がある場合は、40歳以上で申請可能

申請後、市区町村から依頼された調査員が自宅に訪問

「立てるか」「歩けるか」など、身体状況のチェックが行われる

認定が下りると、訪問介護や福祉用具のレンタルなどが利用可能に

ALSのような進行性の病気では、早めに申請しておくことで、在宅生活のサポートを整えやすくなる。

■ 障害年金(国民年金・厚生年金)

窓口:年金事務所

医師の診断書とともに申請

審査後、面談や書類確認が行われることもある

「いつから年金に加入していたか」と、「いつ障害の状態になったか」で、

遡って支給される可能性がある

受給できる金額も変わってくる

障害年金は申請から認定までかなり時間がかかるため、早めの準備が大切。

■ 難病医療費助成(難病公費)

窓口:地域の保健所

診断を受けた脳神経内科の主治医から、「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」の指定申請書をもらう

医師に必要事項を記入してもらい、保健所に提出

医療費の自己負担が軽減される制度(所得や症状によって上限あり)

この制度は毎年更新が必要で、更新時期になると申請書が自宅に送られてくる。ただし、医師の記入と保健所への提出は毎年行う必要がある。

これらの制度は、申請すれば誰でも使えるものではあるが、「教えてもらえなければ、知らないまま」になってしまうことも少なくない。

私はたまたま診断前に他科の医師からアドバイスを受けたおかげで、早めに動くことができた。でも、すべての人がそうとは限らない。

だからこそ、この記事を通して少しでも多くの人に「制度を使うことは悪いことではない」「備えることで安心して暮らせる」ことを伝えられたら嬉しいな。

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