PINK CREAM 31 ~サーティワンアイスクリーム非公式ファンクラブ-モス乳2



モスのシェークの完成度は、本当に恐れ入るところでありますが、当方としてはこれは失敗作と思えます。
モスシェークの特徴であるシャーベット感は、ある種シェークというコンセプトからのプチ脱却でもあるのですが、それによって生まれる軽快感、清涼感、都会的でスタイリッシュな世界感は個性としては魅力的なのです。しかしストロベリーソースの個性がキャディーライクであり、それでいながら果実味の大部分を酸味にゆだねているところが気になるところ。
ストロベリーソースの酸味が清涼的ではあるものの、後味から余韻にかけてやや酸味が舌にべたつくのです。これが実に嫌味で、全体の味わいも切れの悪いものに印象付けているのです。
またストロベリーソースの酸味と甘みは独立して表現されるのではなく、一体となって現れます。そのため甘味は強くないながらも質感はどぎつくなり、モスシェークの大黒柱である高原の清涼感を持ったミルキーな風合いから鮮やかさや開放感を奪っていきます。ミルクの個性が水彩絵の具で描かれているのに、ストロベリーソースががっちりクレヨンで上塗りしたような、透明感のないその表情が全体のバランスを乱しているのです。
安いイチゴミルクシェーキ的な風合いに感じられるのも、ミルクの高級感が破壊されたからに違いありません。
コクの弱いモスシェークにおいて、このキャンディー的な味わいのイチゴの甘酸っぱさは、ミルクが支え切れていないんですね。
残念です。