影を作る
雨を降らせる
雲が

いつも
自分の真上に
あるとは限らない
どんなに悲しくとも
腹は減る
どんなにつらくとも
仕事はなくなってくれない
泣いてばかりではいられない

泣かないように
悲しまないように
転ばないように
すべて手を差しのべてあげられれば
いいんだけど

泣いたら涙を拭く手を
転んだら起き上がる足を
悲しかったら空を見上げる気持ちを
持っているのは
あなた自身だから
父が亡くなった
いつかはあること
必ず来ることではある
長患いをしていた父
覚悟はしていた
はずだった
そんな覚悟を
木っ端微塵に砕くほどの
衝撃だった
人が亡くなるとは
こういうことだったか

父にもらった
愛や恩を
父にはほとんど返せなかった
親の愛とは
こんなにすごいことだったか
父にはもう返せない
たぶん、母にも返せないのだろう

誰かにもらったものを
その人に全部返すのは無理なのかもしれない

だから
私たちは
残っている人に
愛を注ぐ
渡せるだけの愛を
今、目の前にいる人に
捧げよう