今回はオペラ鑑賞第2弾で王道、ヴェルディ作曲の椿姫を観てきました。
チケットは一般向け販売が始まった直後の1月に入手。結構いいお値段でした。Stallの非常に見やすい席でしたがそれでも最右翼。もちろん会員向けチケット販売が終わった後の売り出しなので、残りの良い席については瞬く間になくなってしまいます。争奪競争が激しいですね。
チケット購入から公演まで時間があったので、しっかり勉強していこうと気合いを入れて、Amazonで中古スコアまで買っていたのですが、結局日々の諸事に流され、まともに譜読みできぬままあっという間に当日になってしまいました。
椿姫は、「序曲」や「乾杯の歌」「花から花へ」など、聴き覚えがある曲、そうでなくても聴きやすい曲が多いですね。物語そのものは悲劇なのですが、イタリアらしい明るい旋律や、朗々と想いを語り上げるシーンなどは、まさに聴き惚れてしまいます。個人的にはドイツの重厚な音楽好きなのですが、陽気な音楽にかけてはイタリア音楽は群を抜いていますね。
舞台や衣装も、特に前半の宴のシーンなどは豪華そのもので、オペラにはお金がかかるのだ、ということを改めて認識させるような素晴らしい演出でした。後半は、逆に非常に簡素で、ベッドとわずかな家具、白い寝間着姿だけ。それがまた前半との対比を際立たせていて痛々しさを増幅しています。パンフレットの写真を見ると2008年頃も同じ舞台装置のようなので、この王道オペラの演出は殆ど変ってないのでしょうね。
今回の公演の椿姫ヴィオレッタはDiana Damrauで素晴らしく安定感のある歌声と演技で、華やかな宴の日々を送るヴィオレッタ、失意の日を過ごすヴィオレッタ、希望に打ち震えるも運命に抗えないヴィオレッタを披露してくれました。特に病床の日々のヴィオレッタは迫真の演技で、痛々しさが伝わりすぎて舞台に目を向けるのが辛くなるほどでした。
ところで、今期の公演では新進気鋭のAilyn Perezも椿姫を演じています。こちらの方が圧倒的に注目度が高いようで、公演ポスターもパンフレットの写真もAilynしか取り上げられていない(苦笑)以前に東京公演で急遽代役として主演に起用されて、その歌声があまりにも素晴らしかったらしく、一気に活躍の舞台が広がったのだそうです。先日のTurandotではLiu役を演じて素晴らしい繊細な歌声を聞かせてくれました。
今回は休憩時間にはもちろん「乾杯」してきました。それにしても休憩時間も華やかなものです。特に幕間のわずかな時間に食事をしている人々は本当に手馴れていてそれでいて優雅です。そんな人々を観察しながら、ついついROHの中をあちこち移動して探検してしまうのでした。


