こんにちは

 

薬局薬剤師のやさしい漢方相談へようこそ。

 

 

今回も、薬局スタッフのお話…

 

 

調剤薬局の患者様とは、投薬時の短い時間でしかお話が出来ませんが

スタッフとは一緒に仕事していますから、状況が把握しやすい…

そのため、お互い納得して、おすすめした漢方薬を飲んで貰っています。

 

 

今回も、ご本人が効果を感じているので…

もう少し継続して服薬してもらう事にしています。

 

 

今回は、『八味地黄丸』について。

多分、はっきりとは聞いていませんが…

はじめにすすめた時には、正直「えっ?」って思ったのではないかと思います。

 

 

薬局薬剤師として仕事をしていると

『八味地黄丸』は泌尿器科から、夜間頻尿の薬として処方される割合が高く、

そのほとんどが、ご高齢の男性の患者様に向けての処方です。

 

 

そのため、私が『八味地黄丸』でも…と話した時には、

「えっ、何で私…八味地黄丸??」って感じだったと思います。

 

 

そもそも、今回のスタッフ…

年齢は、更年期真っ只中。

ただでさえ、今迄の様にはいかないところ、

ここ最近、心身共に少し疲れが溜まる状況が続いていました。

そんな中でも、一生懸命勤務を継続していたので…

漢方的には「腎気虚」の症状が見られました。

 

 

ある日の朝、薬局に向かって歩いていると

思う様に足が運べない事に気がついたそうです。

 

 

「なんだか知らないけど、どんどん抜かされるんです…。

みんな、私をおいて早く歩いて行く…。」

その時の事を、後から、そう話していました。

 

 

本人としては、「どうしたんだろう…疲れているのかな?」

…って思った様で、よく処方される『補中益気湯』を飲んでいたそうですが、しばらくすると、少しイライラしてきたとの事でした。

 

 

それを聞いて、とりあえず『補中益気湯』はやめてもらいました。

多分、『補中益気湯』で少し「気」が上がり過ぎたのかもしれません。

 

 

「あのね、まずは「補腎」しよっか。」

 

 

「補腎…ですか?」

 

 

「そう、補腎。」

 

 

「補腎…って??」

 

 

「そうね、わかりやすく言うと…

単純に疲れを取るとか、そう言う事ではなくて…

年齢的にも、若い頃とは違うなって感じているでしょ。だから、もっと本質的にエネルギーを底上げする感じ…って言えばイメージしやすい?」

 

 

「あぁ〜〜。」

 

 

「ここ最近、腰も疲れているでしょ。そこにきて、足の運びが悪い…。完全に下半身に症状が出てるよね?

「腎」の機能が落ちてくると、下半身に症状が出やすいの。それにこのところ、しっかり食事を摂ったり、寝たり出来てないよね?そういう状況だと、どんどん「気」が消耗しちゃうけど、それを補う事も出来ていないと思う。身体のベースが弱くなっているから。

仕事中に、汗を結構かいているのは、年齢的な事もあるかもしれないけど、多分「気虚」によるものも大きいと思う。

勿論「気虚」だから、「気」を補えば…というのもわかるけど、今は、それを作り出す力そのものをアップさせないとダメ。それが「補腎」…。」

 

 

薬剤師といえども、漢方薬に関しては、「この処方は、こう言う時に使うもの…」と言うような勉強の仕方が一般的。

そもそもの処方の成り立ちや、身体の状態を漢方的にみたてる勉強はしません。

 

 

彼女には、「補腎」のお話を簡単にすると同時に、漢方の本で『八味地黄丸』が記載されている所を確認してもらいました。

 

 

「なんか…、ここに出ている症状…

あれもこれもあてはまる気がする。」

 

 

「もし、納得できたなら『八味地黄丸』飲んでみてね。」

 

 

服薬開始後しばらくして…

「なんだか良いような気がします。ちゃんとサッサと歩けるし、疲れもちょっと違ってる…」と。

少し心配していた胃腸症状もなく、服薬できています。

 

 

私自身もそうですが、ある程度の年齢になってきたら、「補腎」は健康のベースです。

普段の生活についても、余り無理をしない様に気をつけると同時に、

自分にあった漢方薬を使うのも良いと思います。

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

こんにちは。



薬局薬剤師のやさしい漢方相談へようこそ。



今回は、「不眠」に悩む患者様のお話です。



5月は、やはり体調を崩される方が多い様に感じます。

 

 

先日、来局された患者様。

今までは、服薬により体調もコントロール出来ていましたが

ここしばらく、急に不安定になってきました。

 

 

来局するたびに、処方内容も変わり、

その不安定さが見て取れます。

 

 

「眠れない」事がとにかく辛くて、

ご自分で「不眠」をキーワードに調べて、

普段のお薬に『酸棗仁湯』を追加で処方して貰っていました。

 

 

少し継続していましたが、効果はなく、中止。

「貧血気味」であることや「疲れ」が気になる事も医師に相談したところ、

今度は『十全大補湯』が処方されました。

 

 

合わないわけではないようですが、特に効果も感じられず…。

その後も『加味帰脾湯』が処方されたり、『十全大補湯』に戻ったり。

 

 

そんな中、先日来局された際、定期薬に追加で処方されたのが

『六味丸』と『桂枝加竜骨牡蛎湯』

 

 

患者様に処方された理由を伺ったところ

受診前に漢方について友人に相談したり、自分なりに調べた上で、医師と相談したご様子。

 

 

「『心』と『腎』の薬がいいんじゃないか…ってことになって。

でも保険で出せるエキス剤がないみたいで、

とりあえず、この2つで代用しようということになったんです。」

 

 

(そうなんだ…。

 『心』と『腎』のお薬…。保険適用ではない漢方薬…。)

 

 

多分、『天王補心丹』を考えたのかな。

保険適用ではないし、これまでの患者様の訴えにあっているようだし。



確かにここ最近は、少し痩せてきたご様子。

これは、「陰虚」が原因かな…。

 

 

今回の2剤で、ある程度効果が出ればよいですが

あまり効果が出ない様であれば

患者様の年齢を考慮して、シンプルに『知柏地黄丸』あたりが処方される事になるのでしょうか。

 

 

いずれにせよ、特に漢方に詳しいわけではないのに

保険で処方できる薬は…?と、色々考えて、調べて、この2剤を処方された医師。

患者様にとっては、自分の為に一生懸命に考えてくれたその医師の姿も治療効果を上げるものになるかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

薬局薬剤師のやさしい漢方相談へようこそ。

 

 

いつもは来局される患者様との関わりの中でブログを書くのですが…

今日は、毎日一緒に働くスタッフのお話です。

 

 

先週、遅番で薬局に入ると

辛そうに椅子に座っているスタッフが目に入りました。

 

「どうしたの?」

 

「ちょっと、腰をやっちゃいました…。」

 

「ぎっくり腰?」

 

「そうです…。」

 

「辛いね…。大丈夫なの?」

 

「はい、何とか…。痛み止めを飲んでいるので…。」

 

 

痛み止めを服薬しているとはいえ、そう簡単なものではありません。

病院に行くほどではないと言いつつも、とても普段の様には動けない様子。

なるべく彼女が動かなくてもすむ様に、他のスタッフとフォローしていました。

 

 

やっと一日が終わる頃…

 

「芍薬甘草湯飲んだ?」…と聞いたところ、

 

「えっ?芍薬甘草湯ですか…?飲んでないです。」

 

「ごめんね…、飲んでいると思ったので言わなかったけど…。

今からでもいいから飲んで。」

 

直ぐに、一包服薬して貰いました。

 

 

ほどなくして…

 

「なんか、効いてる。ちょっとびっくり。」…と彼女。

 

 

『芍薬甘草湯』は、文字通り「芍薬」と「甘草」だけからなる漢方薬。

基本的に、漢方薬は構成生薬が少ないほど切れ味が鋭いと言われているため、

当に、二味しか入っていない『芍薬甘草湯』の切れ味には定評があります。

 

以前、私の息子がゴルフ場でキャディのアルバイトをしていた頃

常連の医師が、足の攣りに『芍薬甘草湯』を常備していると話していました。

 

薬局でも、足が攣る方に『芍薬甘草湯』がよく処方されます。

その為に、『芍薬甘草湯』=「足の攣り」…とのイメージがありますが

筋肉の引きつり、痙攣性の疼痛に有効であり、身体のどの部分にも使えます。

また、腰痛や腹痛、生理痛などがひどい時には、ベースになる漢方薬に合わせて服薬することもあります。

 

 

私自身、今まで『芍薬甘草湯』にお世話になるような痛みを感じることなく過ごしてきましたが…、

服薬後、割と早い段階で効果を感じているスタッフの様子を見て、改めて少し驚きました。

 

 

『芍薬甘草湯』…、侮れませんね。