福島県立医科大学附属病院に居ます。

最近の投稿で書いている通り 治験に参加させていただいています。

 
金沢で4回1セットのPRRTルタテラ治療を終えた後 若干の骨髄抑制が見えました。

それも想定範囲内で回復し この後どうしようか・・・と悩んでいました。
 

ルタテラの効果判定をしていただくのに 半年程度は経過観察しかないかな・・・と。

 

 

この頃にはMABGの治験の情報は耳にしていましたし、金沢でも少し詳しい情報をいただいていました。

 

再発して間もない2016年には 量子科学技術研究開発機構のニュースリリースを把握していたので ずっと追いかけていた治療です。

 

金沢退院後 東京の先生方にも選択肢として提示をいただいたので、福島医科大学附属病院に電話をして先生と話し、説明を聞きに行くことにしました。

 

新幹線で1時間30分、東京から福島へ。駅からバスに乗って30分ほど 小高い丘の上に病院があります。

安達太良山を望む丘陵にある 豊かな緑に囲まれた病院です。

 

東京の先生から主要なデータは送っていただいていましたが、手持ちの東京・金沢のデータもCDで持ち込みました。

 

適応になりさへすれば 治験に参加する気で来ていますから 少し緊張です。

 

説明を受けます。

 

私が受ける治験は初めて人に投与して安全性を確かめる第一相。

 

予定は9人、少ない量で3名 その倍の量で3名 さらにその倍の量で3名。私は9名中4人目。

 

真ん中の量の一番手です。

 

第二相では MIBGやルタテラの様に 一人に複数回投与するパターンで治験を行うそうです。

 

患者希少の為 第一相の参加者でも第二相に参加できるとのこと。

 

真ん中以上の投与量で 第二相にも参加することを 強く希望しようと思って 緊張していたのですが すんなり希望通りでした。

 

その日のうちに 日程を決めて 帰京しました。

 

さて 本番。 

 

・8月半ばにスクリーニングの為 3泊4日で検査入院。

蓄尿・採血・心電図・MIBGシンチなど。ついでにRI病棟の見学もさせていただきました。

 

・9月中旬に治験入院。16日間。

治療48時間前から「カフェイン・チラミン・アルコール」制限。

入院前日からヨウ化カリウム服用開始。

 

RI病棟:綺麗な部屋です。壁に描かれた色彩模様が良いです。一泊目は慣らし宿泊。二泊目から治療開始。

  

【治療】指定された必要最低限の物を残し 荷物は室外のロッカーに保管。

 錠剤の制吐剤服用。

 心電図とモニターの電極を付け、両腕に採血用のラインを確保します。畜尿も開始。

 

 確保したラインから投与。

 投与直後・5分・15分・1時間・2時間・3時間・4時間・6時間後に各採血。畜尿回収随時。

 

 治療2日目・3日目は 日に1回の採血と心電図。それに畜尿と各バイタル。

 4日目の採血・心電図が終われば、着ていたものなど 全部置いて、準備しておいた着替を着て一般病棟に移動です。

 一般病棟では 毎日のバイタルサイン(体温・血圧・血中酸素濃度)と数日に1回の採血だけ。

 

 前の投稿でも書きましたが 基本 とてもヒマです。

 

 

 

 

MIBGやルタテラの投与と違い、MABG投与の時は 鉛のガードもせず複数の先生方が平然と病室にいます。思わず「先生方 部屋にいて大丈夫なんですか?!」と聞いてしまいました。先生方 笑いながら「大丈夫です(笑)」。

      

MABGが出すα線は影響する距離が短く 投与時でも影響が患者の体内で済む程度なのだそうです。投与直後に1Mで測るガイガーカウンターを向けておられましたが 測定限界以下の様子でした。MIBG・ルタテラ治療を経験し、若い先生・看護師さんに対応していただくことに気が引けていたので これには驚き、凄いと思いました。

 

副作用は投与二日目くらいから4・5日間ほど 胸の軽いむかつきがありました。一般病棟に移っても治療8日目までカフェイン・チラミン制限食が続いていて 薄味だったので あまり食欲が湧きませんでしたが、制限解除後 濃い味のハンバーグが出たら ご飯も含めて難なく完食できていたので、個人的に薄味がイマイチ合わなかっただけなのかもしれませんね。

他には骨転移個所の痛み増。脊椎と股関節に抱える骨転移。普段はオキノームなど痛み止めを使って10段階で1~2程度の痛み。これが投与二日目から4日間程度 2~3の感じになりました。入院で動かないし 我慢できないものではなく レスキューで十分対応できました。放射線内照射の場合 腫瘍が浮腫んで神経を圧迫することは想定済み。その分集積があるということでもあるので うれしい痛みでもあります。

今のところ 骨髄抑制も出ていないですし 他に感じた副作用は 今のところありません。

 

【助かったこと】なんと言っても助かったのは MABGの場合 RI病棟に 

 

      スマホ・パソコン持ち込み可

 

であることです。

 

インターネット・メールはもちろん スマホでの会話も お客さんとのWEB会議もできました。

 

普段から出歩くことが多いので お客様では 私が入院しているとは誰も気づいていないでしょう。

 

RI病棟でも 先生も採血などで毎日 病室内に来ますし、看護師さんもバイタルチェックに来ます。

 

MIBG・ルタテラとの大きな違いはここですね。隔離度の低さ。

 

 

それでも治験ですから いくつかの制約はありますが、承認されたら 一泊か日帰り程度の治療期間を目指すことができるそうです。

 

 

結構な日数 拘束されるので お仕事やご家庭の事情など 簡単には都合のつかない方が多いと思います。

 

そのせいか なかなか治験参加者が集まっていない様です。

 

費用的には MABGの薬代が病院負担のほか 外来・入院とも 日に1万円の協力金が出て、福島県外の方には交通費実費も補助されます。

 

ご同病の方は 検討の価値があると思います。

 

 

MIBGシンチの反応がなく あきらめている方もいると思います。

 

MIBGの集積は初期で強く、増大に伴って弱くなる傾向と言われている様ですが、私は逆でした。

 

再発間もない頃のシンチでは集積なしでしたが、CVD治療を経て数年後のシンチでは集積ありになりました。

 

そのお陰で MIBG・ルタテラ治療に加えて 今回のMABGの治験に参加できています。

 

過去に集積がなかった方も 1年か数年に一度は MIBGシンチやオクトレオスキャンを受けてみても良いのではないかと思います。

 

主治医の先生が積極的でなかったら セカンドオピニオンの上 いろんな病院に行って いろんな先生方と話した方が納得感があります。

 

 

まとまりませんが、取り急ぎご報告まで。

 

退院後 数週間おきに 12月まで外来や入院での検査がありますので またご報告させていただきます。