アライブ 最終進化的少年 / 河島正、あだちとか (全21巻) (2021.07.23.読了)

 

 

 

 

この作品は、能力者同士の個性的な戦い方がとても面白くて、どんどん続きが気になるストーリー展開の漫画でした!

 

しかし、そのスピーディーな場面展開の中、割と残酷な場面も多くて少し後味が悪いというか、何というか...色々考えさせられてしまい、それぞれの登場人物が亡くなっていく度に感情移入して悲しくなる事も多々ありました。

 

私は、アプリの方でこの漫画を読んでいたのですが、毎日数話ずつしか読めないので、コツコツ読み進めていきながらも、謎や伏線がたくさん出て来るので毎日飽きる事なく、最後まで続きが気になる漫画でした!

 

特に勝又の

『雨の日が悪い天気だと言ったのは誰だろうね。砂漠に住む者にとってみれば恵みの雨だ。』

というセリフが一番心に残りました。

 

私自身が天気の中で雨が一番好きだというのもあるのですけど、この漫画の中で悪役的な位置にいる勝又がこのセリフを吐いている、という所が素敵だなと思いました。色々な背景がある中、勝又の思想がこのセリフに出ているなと勝手に考察しています(笑)

 

そしてこの漫画は特に能力者同士の戦いが見どころです!それぞれの登場人物が、自分にしか使えない能力を駆使して闘うので、派手だったり、頭脳戦で地味だけど役に立ったり、個性的な戦闘シーンが見れます。

 

私が好きだった能力は、由良のシャボン玉です。理由を言うと、闘っているのに綺麗な描写が素敵だったからです。芸術家というだけあってとても魅力的なキャラクターでした。それが能力にも影響しているのかなと、勝手に色々想像してしまうくらいでした。

 

能力ではなくキャラクターで言うと一番好きなのは論君。何といっても可愛い!!!能力が液体化でスライムのような物になるんですけど、その姿も可愛い!!!私の中でこの漫画の最推しです!!!

 

そして物語についてですが、個人的には奈美と結ばれてほしかったというのが本音。

 

でもとても魅力的で新しくて面白い漫画でした!作者の河島さんが亡くなられているというのをこの記事を書く上で知ってとてもショックですが、この漫画が映像化されてほしいと願っています。

 

ここまで読んでくれてありがとうございましたニコお月様

何者 / 朝井リョウ  (2019.10.12.読了)
 

 

 

 
この小説は就活とTwitterをテーマにした作品です。
 
作者の朝井リョウさんが「誰にも知られたくない感情を書いた」と言っている通り、Twitter(リア垢ではない方の)での主人公のツイートもかなりリアルで、少しハラハラしたのを覚えています。
 
私は大学も出ていないし、ちゃんとした就活もした事がないから、話についていけるかなと心配になりました。しかし読み始めていく内にその考えがなくなっていきました!
 
自分たちは何者にもなれなくて。それでも何者かになりたい自分も居て。
どんなにカッコ悪くても、足掻き続けて頑張らないと、何の評価もしてもらえない。
点数すらつけて貰えない。大人になるとそういう現実がたくさん待っている。
他人のことを分析して何もしないで嘲笑っている自分が1番醜いんだなと思いました。
 
私も人間観察が好きでどちらかというと拓人のようなタイプの人間だと思っていますが、高校三年時から専門入学までは、理香のように必死に面接対策をしたり、SNS等を使い同じく頑張っている同級生を見つけて繋がったりと、まさに意識高い系の『それ(笑)』だったように思えます(笑)
今思えば恥ずかしいような頑張っているアピールのツイートも、当時投稿した覚えがあって、どちらの気持ちも痛いように分かります(苦笑)
 
そういう点から言うと、この小説は就活、Twitterを題材にしているので、色んな方に、特にSNSを頻繁に使う若い方には刺さる物語ではないでしょうか。
 
少なくともこの本を読んだ当時、22歳の私の心には深く刺さりました。
 
アカウントを公開にしていると、誰でも自分の投稿を見たり、共有したり、コメント出来る今の時代。
昔のような匿名性の高いネット社会とは違い、実名やニックネームで自分自身の意見や意思を表現する人が増えている中、リアルの友人と繋がっているアカウントとは別に、少数の親しい友人やネットの中の友達、赤の他人といったような方々と繋がっている、所謂「裏垢」を持っている方も多いのではないでしょうか?
 
そういった方には是非、参考にしてほしい作品です。
 
この作品を読んでこれからのSNSの使い方、モノの考え方、努力の仕方等、色々と考え直さないといけないなと思いました。
そして、読んだ後に自分の心の中にある醜い部分を晒されるような気持ちになる作品だと思いました。
 
次は「何様」も読もうと思います。
ここまで読んでくれてありがとうございましたニコお月様