春先はつらい。

ただでさえ憂鬱なこの時期(「4月は残酷な月だ」(by T.S.エリオット))。

この私をさらに苦しめる二大巨悪といえば、そう花粉症!

そしてもう一つは...、

巷にはびこる「桜ソング」なのですよ!奥さん!

このブームの火付け役となったのは、ケツメイシの「さくら」ぐらいからですかね?
ああそれとも、森山直太朗?河口恭吾?福山雅治?

あ~、もう誰でもいい。

この時期になるとやたらと耳に飛び込んでくる「桜」をモチーフにした、どうでもよいJ-popの数々

「桜」のもつ、一瞬の美しさと散り行くはかなさをイメージの中心にすえて語られる、
「夢」や「恋」、そして「卒業」。

既存の桜ソングの歌詞の孫引き(=引用)としか思えないような
似たり寄ったりの歌詞に、いい加減辟易しているわけなのです。

他に歌うことはないのでしょうか?

昨日も、睡魔と花粉症がもたらす偏頭痛の中、「タモステ」を観ていたら「桜ソング」が2曲もかかりました。
若手女優さんのデビュー曲と、○ャニーズのとあるグループの新曲。

悪いけれど、あのレベルの楽曲なら誰でも作れるのではないか?と思ってしまったわけです。

「桜ソング」の作り方(基本編)

1.「月間歌謡曲」(ゲッカヨ?)などの歌本に乗っている、過去の桜ソングの歌詞を2、3曲
  ノートに写しましょう。ちなみにこれはパクリではありません。リスペクトなんだと自分に
  言いきかせることが大事です。モー娘。の、なっ○だってやってたんですから(古い)

2.気に入った部分の歌詞の順番を適当に替えたり、組み合わせたりして「オリジナルな世界」を
 クリエイトします。

3.さらに「等身大の自分の気持ち」とか、「夢をかなえるために戦い続ける君を応援」とか、
  まあ何でもいいんだけれど、「桜」以外の味付け、というかテーマらしきものをそえること
  によって「同世代からの圧倒的な支持」を獲得しましょう。

4.メロディーとアレンジについては、誰か楽器のできる人に具体的なイメージ
  を指示しながら、楽曲制作を依頼します。

  「去年流行った映画の主題歌で、そう、あのグリーンの曲みたいな感じに。
   で、ちょっと”ヒップ・ホップ風”になっている奴にしてくれない?
   あとサビのところでハモっているオクターブ下の男性の声はキモイから消しておいてね!」
  
  と頼むと、○助の新曲みたいなのができます。○ァンキー○ンキーなんとかズでもいんだけれど。


来年度からは「桜ソング」は法令によって禁止してほしいです。


で、前置きが長くなりましたが、今日の楽曲紹介。

歌詞(ああ、リリックスって言わないといけないよね)が本当に素晴らしい。
J-ラップにありがちな、単なる「オレオレ」語りと一線を画しています。

もはや着歌ダウンロード数やらが売り上げのバロメーターとなった音楽業界冬の時代に、
音楽に何が出来るのか?音楽で人々は連帯できるのか?そもそもこれは音楽なのか?
という深遠なテーマに真っ向から向きあった、真の意味でのメッセージ・ソングなのです。

RHYMESTER "Last Verse"




もし これが音楽じゃなくて
もし ただの騒音だとしても
もし 届くのなら 届けよう
その先の景色 見届けよう

もし それが現実じゃなくて
もし ただの幻想だとしても
もし 届くのなら 届けよう
その先の景色 見届けよう



まだまだ音楽にできることがあるんだ!と久々に痛快な気分にさせてくれたこの曲。
(一抹のもの悲しさとともにだけど...)こんな時代だからこそ感謝感激!