ジャンルに関係なく歌の持つ力や生演奏の素晴らしさを訴え続けるこのブログ(いつから?)

今日ご紹介するのは 80年代の英国を代表するプリテンダーズのこの1曲。
とは言ってもこの曲、70’s ソウルの有名曲のカバーなのです。
Persuaders という、まさにこの1曲のみの一発屋で消えていったヴォーカル・グループによるもの。

タイトルをあえて和訳するなら「愛憎表裏一体」ってな感じでしょうか?(全然雰囲気が違う...)

歌うのは男性ですが、歌詞の内容は、毎晩夜遊びしてい午前様な夫へに耐え忍ぶ妻の「愛憎」を語り手が
描く内容になっています。

早朝5時に帰宅する夫。「お腹空いていないの?」「何か食べた?」とやさしくたずねる妻...
「コート、ここにかけておくわね。帽子も渡して」。いつも優しく夫に対して決して声を荒げることの
ない妻...

歌の語り手は「いつもそんな素敵な妻だからこそ、時には最恐の妻になるもの。あんたがそんな風な
仕打ちを彼女に続けていればね。何か心に秘めたものがあるはず...」と警告します。

で、歌の最後には遊び人の夫が包帯だらけで病院に担ぎこまれる様子が描かれています。
「あんたには信じられないだろうよ。彼女にこんなことをする勇気があったなんて」...

耐え忍ぶ妻による反撃!

そんな内容です。演歌か!80年代の女流ロック系歌手の代表格であるクリッシー・ハインド女史が歌うと
さらに凄みが増しているのが良いですね。

"It's a thin line between love and hate" / The Pretenders



この曲もそうですが、80年代の英国の音楽シーンは、パンク・バンドからお洒落系に変身していった
ポール・ウェラー(スタイル・カウンシル)を代表にひそか~に60年代・70年代のR&Bリスペクトの
方向に移行していたようです。(当時は知識がなかったから全然わかんなかったんだよねえ。残念。)

カルチャー・クラブとかも改めて聞きなおしてみるとモロ・モータウンだし。ポール・ヤングとかね。
それがアンダーグラウンドでのレア・グルーブのムーブメントと結びつきだすのも80年代後半のこと。
チャート動向的には、ディスコによって息の根を止められたと思われていたソウル・ファンクもそんな
形で潜伏していたのですね。次回はそこら辺を攻めようかな。

(おまけ)Persuaders の映像がありましたあ。なんか地元のお祭り?みたいな感じの場所で歌って
います。ステージ衣装着てないけどちゃんとアクションにステップ決めているし。



いやあ、このコテコテな感じ、最高だなあ。やっぱボーカル・ワークが暑い、暑い!暑苦しい!
まさにザッツ営業!ゴスペルあがりはやっぱすげえ!