こんばんは

そののんです。
今日
ぼくは
お日さまよりも
はやく起きたんだよ
お日さまが
顔を出すまえは
いちばん寒いけど
お日さまが
顔を出したら
すぐに
あたたかくなって
ぼくは
いつものように
お日さま色に
なるんだよ
ぼくは
いろんなことを
思いだしていたんだ
あるとき
ぼくは
もう
赤ちゃんじゃ
なくなったのに
羽が一枚だけ
足りなくて
どうしても
うまく飛べなくて
きみのところへ
また
戻ってきたんだったね
ずっと
きみのそばで
羽をあたためて
ときが
くるのを
まっていたんだ
でも
そのとき
ほんとは
きみのほうが
つらかったんだね
しばらくして
ぼくは
そのことに
気がついたから
きみに
南の国から
運んできた
黄色い花と
小さなおにぎりを
あげたんだよね
なんかいも
なんかいも
春がきて
夏がきて
秋がきて
冬がきて
そして
また春がきて
だんだんと
お花が
咲いてきて
きみは
とても
元気になって
ぼくは
うれしかったよ
ぼくも
元気になって
そして
また
春が
来ようとしているよ
白い花も
黄色い花も
桃色の花も
だんだんと
たくさん
咲いてきて
みんな
春がきて
うれしいと
よろこぶんだね
桜の花が
たくさん咲くころ
ぼくは
きみのところから
飛んでいくのかな
ほんとうは
羽が
1枚くらい
なくったって
ぼくには
飛ぶ力があることを
知るために
ぼくは
きみのところに
帰ってきたのかな
黄色い花を
くちばしに
たずさえて
ぼくは
ぼくを
待っている
だれかのもとへ
飛んでいこうと
思うんだ
たくさん
花が咲いて
みんなが
よろこんでくれて
うれしいけれど
たくさん
咲いたとき
ぼくは
飛んでいこうと
おもうんだ
すこし
さみしいけれど
きみの住む
家のまわりを
大きく
ぐるりと
旋回して
ぼくは
きみのところから
飛んでいこう
きみが
空を見上げたとき
もしも
空に
光り輝く点が
みえたら
それは
ぼくが
くちばしに
くわえている
絶対に枯れない
黄色い花なんだよ
遠く離れても
ぼくは
きみを
ずっと
見守っているよ
きみの笑顔を
ぼくのたからものにして
ぼくも
笑顔で
飛んでいくよ
同じ空の下
ぼくたちは
ずっと
生きている
きみにあげた
黄色い花は
ずっと
きみのこころのなかで
光り輝いているから
ぼくは
安心して
羽をひろげて
とんでいくよ