まずは「海洋深層水」とは何か?ですね。

「海洋深層水」とは、
大陸棚より深いところにある海水の総称です。
具体的には深度200m以上の海水です。

推進が200m以上になると、太陽光線はほとんど海水に吸収され暗いブルーの世界になり、1000mに至ると暗黒の世界になります。

この200m以上の深海では、植物性プランクトンによる光合成が行われないため、無機栄養塩が消費されずに蓄積されます。また、温度変化の激しい表層水との対流の限界深度も約200mで、この影響を受けない海洋深層水は表層水と混じり合うことなく低温で安定しています。

海洋深層水の特性として「低温安定性」「富栄養性」「清浄性」「熟成性」「ミネラル特性」を挙げることができます。しかし、これが海洋深層水の全てではありません。正確に全てを説明しようとすれば、何層にも分かれる深海の潮流、その潮流が長い時をかけて地球をめぐるメカニズム、また、その海水が熟成するメカニズム、さらに2003年の深海調査で発見され話題となった薬用成分を含む細菌(免疫改善物質生産菌)の発見のようなものまでを紹介する必要があります。

つまり、海洋科学から生物学まであらゆる知識を動員しなければ海洋深層水を正しく定義することはできません。これは、言い換えれば、海洋深層水は未知の可能性の宝庫ということができます。

室戸海洋深層水ガイドブックより抜粋