べにや呉服店 プチ女将の日記


シンデレラは、


0時直前


光と陰のはざ間で


なにを想っただろう?




王子様に


現実に出会ってしまって


恋をして


動悸がおさまらなくて


心臓がドクドク言って


それなのに


帰りを急いで


クツを落としてまで


走って、走って、、、




そして


自分の現実にもどる。



もしも


王子様が彼女を見つけられなくっても


シンデレラは


心の中に光の記憶をいだいて


生きつづけたのだろうか?




ガラにもなく、


そんなことを想像する。




そう、


それは彼女のコトバがあったから。



‘この帯、シンデレラはいないんだね。’



って、言ったとき


彼女はすぐに言った。



‘これをつけた人が、シンデレラなんでしょ。’




そっか。


そうだよね!


言われるまで気づかない


乙女心の薄いわたしには、きっとこの帯は似合わない。





けど、


躊躇なく


うれしそうに、


いつもよりもっとキラキラを顔から発して


こんなセリフを発する彼女には


きっと、似合う。




シンデレラなひと。