今年の夏は、姉と富士山に登る旅に出掛けます
富士山、三回目の私
一度目は、小学校低学年、二度目は中2の頃に行った
夏場でも涼しく、水が冷たくて美味しかったけど、山頂まで登るのは今回が初めてだ
八合目の山小屋で仮眠し、真夜中に出発して山頂を目指す
もちろん、お目当ては御来光を山頂から拝むこと
姉に誘われた時、ちょうど仕事場で泡ふいて私はぶっ倒れていた
ストレスと疲労が身体中を蝕んでいる
倒れるまでは、慌ただしい毎日で、疲れてる事にも気付けなかった
何も考えられず、ここ数日は気力だけで仕事をしていた
十四歳で富士山に向かった時、バスで私の隣りに座ったのはナースのTさんだった
父と二人で出掛けたはずなのに、彼は何故か私と座らず、知らない女性が私の隣りに座るよう、わざと仕向けた
思春期で不登校、旅に出たものの、私とどう向き合うか、父は父なりに考えあぐねていたようだ
Tさんは私より一回り上の女性だったが、私の隣りに座ってほしいという父の頼みを快諾してくれた様子だった
彼女は、重度の「しょうがい」を持つ子供たちの施設に勤めていると私に話した
私は彼女の背景に潜む物語が知りたくて、仕事について、死をナースの視点からどう捉えているか等、いろんな事を随分不躾に聞いてしまったと今では思う
夜勤明けで、Tさんの大きな瞳は充血し、目の下にはうっすらと隈が浮いていた
死について、彼女はいつまでも慣れることが出来ないと私に話した
先輩達には叱られるけど、私は人の死を悼む気持ちが涙になること、それを悪いことだと思わない
職業人としての私はきっと未熟なんだろうけど、私はナースである前に、人として、患者が死んだら悲しいし、やっぱりどんなに我慢をしても泣いちゃうの
私達の仕事は報われないことも多い
どんなに頑張っても、幾つもの死を目の当たりにする
あなたが私の施設を訪れたら、きっと沢山の気付きと同時に、少なからずショックを受ける場面に沢山沢山出会うでしょう
微笑みながら、しかし凛としたその言葉に、私は彼女が抱える深い闇と光を同時に見たような気がしていた
そんなに疲れた顔色をして、それでもあなたを仕事へと駆り立てる勇気はなんですか?
と私が聞くと、笑顔よと彼女は迷うことなく即答していた
それから、一握りのありがとう
富士山での三日間、それから私は父とろくにいず、同じ場所を旅してた彼女にくっついていた
父は、書き物に熱中していた私が、人に出会うこと、そしてその一期一会から何かを感じとることを旅を通じて学ばせようとしたのだろう
今、私はナースではないけれど、医療の現場に携わり、Tさんのあの時の気持ちを直に感じる
私はこの一年で人の死に慣れ、死を間近に受け止めてきた
それでも、深く関わっていた人が亡くなると、人としての痛みをちゃんと心に感じる
一握りのありがとうと笑顔が、やっぱり自分を現場に向かわす
倒れた日、もう限界かと弱気になった
弱気はすぐに消えてなくならず、まだ私の根っこにしぶとく残ってもいる
満身創痍で臨んだ夜勤で触れたのは、患者さん達の心遣いと労いの言葉
休憩になると、お饅頭やキャンディーやチョコが、次々とカルテを書いている机の前に並び出す
食べたらきっと元気になるよ
あなたが大好きだから、大切だから、どうかどうか倒れないでと皆願ってる
そう言われた
照れくさかったけど、嬉しかった
姉と二人で行く旅は、いつも気ままだ
行きたいとこには一人でも行くし、何時にここで、じゃ
と別れ、行きたい場所が同じなら、一緒に歩く
昔見た映画、キャラバンやセブンイヤーズインチベットなどに感銘を受けた私と姉は、いつかチベットの山を登りたいねと話している
私は去年行ったウブドの山にも、機会があれば登るつもりだ
雄大な自然を目の前にすると、いつもその脅威と神秘に圧倒される
そして、自分ちっちゃいなーと、しみじみ感じる
とりあえず旅に出る前に、強靭な身体と健脚を鍛えよう
出来たら富士山で、朝日を浴びながら珈琲を作って飲みたい
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富士山、三回目の私

一度目は、小学校低学年、二度目は中2の頃に行った

夏場でも涼しく、水が冷たくて美味しかったけど、山頂まで登るのは今回が初めてだ

八合目の山小屋で仮眠し、真夜中に出発して山頂を目指す

もちろん、お目当ては御来光を山頂から拝むこと

姉に誘われた時、ちょうど仕事場で泡ふいて私はぶっ倒れていた

ストレスと疲労が身体中を蝕んでいる

倒れるまでは、慌ただしい毎日で、疲れてる事にも気付けなかった

何も考えられず、ここ数日は気力だけで仕事をしていた

十四歳で富士山に向かった時、バスで私の隣りに座ったのはナースのTさんだった

父と二人で出掛けたはずなのに、彼は何故か私と座らず、知らない女性が私の隣りに座るよう、わざと仕向けた

思春期で不登校、旅に出たものの、私とどう向き合うか、父は父なりに考えあぐねていたようだ

Tさんは私より一回り上の女性だったが、私の隣りに座ってほしいという父の頼みを快諾してくれた様子だった

彼女は、重度の「しょうがい」を持つ子供たちの施設に勤めていると私に話した

私は彼女の背景に潜む物語が知りたくて、仕事について、死をナースの視点からどう捉えているか等、いろんな事を随分不躾に聞いてしまったと今では思う

夜勤明けで、Tさんの大きな瞳は充血し、目の下にはうっすらと隈が浮いていた

死について、彼女はいつまでも慣れることが出来ないと私に話した

先輩達には叱られるけど、私は人の死を悼む気持ちが涙になること、それを悪いことだと思わない

職業人としての私はきっと未熟なんだろうけど、私はナースである前に、人として、患者が死んだら悲しいし、やっぱりどんなに我慢をしても泣いちゃうの

私達の仕事は報われないことも多い

どんなに頑張っても、幾つもの死を目の当たりにする

あなたが私の施設を訪れたら、きっと沢山の気付きと同時に、少なからずショックを受ける場面に沢山沢山出会うでしょう

微笑みながら、しかし凛としたその言葉に、私は彼女が抱える深い闇と光を同時に見たような気がしていた

そんなに疲れた顔色をして、それでもあなたを仕事へと駆り立てる勇気はなんですか?
と私が聞くと、笑顔よと彼女は迷うことなく即答していた

それから、一握りのありがとう

富士山での三日間、それから私は父とろくにいず、同じ場所を旅してた彼女にくっついていた

父は、書き物に熱中していた私が、人に出会うこと、そしてその一期一会から何かを感じとることを旅を通じて学ばせようとしたのだろう

今、私はナースではないけれど、医療の現場に携わり、Tさんのあの時の気持ちを直に感じる

私はこの一年で人の死に慣れ、死を間近に受け止めてきた

それでも、深く関わっていた人が亡くなると、人としての痛みをちゃんと心に感じる

一握りのありがとうと笑顔が、やっぱり自分を現場に向かわす

倒れた日、もう限界かと弱気になった

弱気はすぐに消えてなくならず、まだ私の根っこにしぶとく残ってもいる

満身創痍で臨んだ夜勤で触れたのは、患者さん達の心遣いと労いの言葉

休憩になると、お饅頭やキャンディーやチョコが、次々とカルテを書いている机の前に並び出す

食べたらきっと元気になるよ

あなたが大好きだから、大切だから、どうかどうか倒れないでと皆願ってる

そう言われた

照れくさかったけど、嬉しかった

姉と二人で行く旅は、いつも気ままだ

行きたいとこには一人でも行くし、何時にここで、じゃ
と別れ、行きたい場所が同じなら、一緒に歩く
昔見た映画、キャラバンやセブンイヤーズインチベットなどに感銘を受けた私と姉は、いつかチベットの山を登りたいねと話している

私は去年行ったウブドの山にも、機会があれば登るつもりだ

雄大な自然を目の前にすると、いつもその脅威と神秘に圧倒される

そして、自分ちっちゃいなーと、しみじみ感じる

とりあえず旅に出る前に、強靭な身体と健脚を鍛えよう

出来たら富士山で、朝日を浴びながら珈琲を作って飲みたい

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