平和への歌 アルバム「ポール・サイモン」Part1 | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

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懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。

 今日は。
 プーチンのウクライナ侵略戦争は第一にプーチンの独走なのは明らかです。
でも、思い返せば、ロシア国民にもその要因の一つがあるようにも思います。
それはプーチンが、嘗て、首相と大統領の鞍替えで、当時の法律以上に権力の維持することを許したことです。
我々日本人も政治をしっかり自分のこととして、見ていかなくてはいけないのではないでしょうか。

 今週は久しぶりに「洋楽」から。
嘗ては普通に使いましたが、最近は「洋楽」と「邦楽」は死語でしょうか。
あまり聞きませんね。
 このご時世ですので、平和に関する歌をお届けしたいと思います。

<平和への歌 アルバム         「ポール・サイモン」Part1>
 
 
 アルバム「ポール・サイモン」です。  
このサイモンとガーファンクル(S&G)解散後のポール・サイモンのソロのファースト・アルバムに収められている平和への曲である2曲を思い出しました。


本当はアルバム全体について書きたいのですが、今回は特に「平和」について書きたいため、詞に焦点を合わせます。
アルバム全体とサウンドについてはPart2(いつになるかな?笑)で書きたいと思います。
もう50年位前の高1の時に聞いて、このアルバムはそれまでのS&Gサウンドとはまったく違っていて、驚いたのを覚えています。

1.アルバム「ポール・サイモン」
 1971年録音(発表72年)ですから、ベトナム戦争真っただ中に発表されています。
 くしくも、先ほどご紹介したカザルスの国連でのスピーチと演奏が1971年です。
 
  原詩と僕の拙訳を後に付けます。

●平和の流れる街 Peace Like A River
 
〇Paul Simon - Peace Like a River (Official Audio)

 

 

 


 https://www.youtube.com/watch?v=CgsAmUbrCnA

Peace like a river ran through the city
Long past the midnight curfew
We sat starry-eyed
Oh, we were satisfied

平和が川のように街に流れています
長い深夜の戒厳令
我々は楽観的にいた
我々は満足していた

And I remember
Misinformation followed us like a plague
Nobody knew from time to time
If the plans where changed
Oh, if the plans were changed

そして僕は思い出す
間違った情報が疫病のように我々についてきていたのを
誰も知らなかった
計画が変わったなんて
計画が変わったなんて

You can beat us with wires
You can beat us with chains
You can run out your rules
But you know you can’t outrun the history train
I‘ve seen a glorious day

我々をワイヤーで打つこともできる
鎖で打つことも
規則をおいだすことも
でも歴史という列車から逃れることはできないことは、君も知っているよね
僕は輝かしい、成功の日を見ている

Four in the morning
I woke up from out of my dreams
Nowhere to go but back to sleep
But I’m reconciled
Oh, oh, oh, I’m gonna be up for a while
Oh, oh, oh, I’m gonna be up for a while
Oh, oh, oh, I’m gonna be up for a while

朝4時
僕は夢の中から目覚めた
眠るしか行き場所がないから
でも、共存するつもりです

しばらく僕は起きているつもりです
しばらく僕は起きているつもりです
しばらく僕は起きているつもりです

詩人はglorious dayを夢を見ていたのでしょう。
その夢から詩人は目覚め、夢と現実と共存させるのでしょうか?
現実を見つめるために、起きているとこの詩を結んでいます。


●休戦記念日 Armistice Day
 さて次の曲『休戦記念日 Armistice Day』も、同じアルバム「ポール・サイモン」からお届けします。

欧州各国で、11月11日を「休戦記念日」に制定し フランスではドイツ降伏と第一次世界大戦終結を記念する「休戦記念日(Armistice 1918)」としていますが、追悼は第一次大戦以降の戦没兵士を含んでいます。
そんなタイトルの曲です。

〇休戦記念日 Armistice Day

 

 

 


 https://www.youtube.com/watch?v=TlKazFeT8hI  

On Armistice Day
The Philharmonic will play
But the songs that we sing
Will be sad
Shufflin’ brown tunes
Hanging around

休戦記念日を
オーケストラは演奏する
だけど 僕らが歌う歌は
悲しくなるでしょう
ごまかしの 茶色の曲が
うろついています

 
No long-drawn, blown out excuses
Were made
When I needed a friend, she was there
Just like an easy chair

延々と続く言い訳も、
言い訳にならない言い訳もできず
僕が必要なときは、彼女はそこにいてくれた
ちょうと ここちよい椅子のように


Armistice Day
Armistice Day
That’s all I really wanted to say

休戦記念日
休戦記念日
僕が本当にいいたいこと

Oh, I’m weary from waiting
In Washington, D.C.
I’m coming to see my congressman
But he’s avoiding me
Weary from waiting down in Washington, D.C.

僕は待っているのに疲れました
ワシントンDCで、
僕は国会議員に会うためにここにきました
だけど、彼は僕を避けます
待っているのに疲れました

Oh, Congresswoman
Won’t you tell that congressman
I’ve waited such a long time
I’ve about waited all I can
Oh, Congresswoman
Won’t you tell that congressman

女性議員さん
議員に伝えてもらえませんか
僕がこんなに長く待っていると
僕はできる限り待っています
女性議員さん
議員に伝えてもらえませんか


2.「明日に架ける橋」


  ポールは、70年初頭、S&G名義の前作「明日に架ける橋」でアルバムタイトルソング『明日に架ける橋』を発表しています。
 

 

 レコーディング・バージョンの前にライブ版を聞いてください。
  〇Simon & Garfunkel - Bridge Over Troubled Water, McGovern Benefit, June 14, 1972 (audio)

 


     https://www.youtube.com/watch?v=rBrl3wAxTmI

   ポールは1972年6月に開催されたジョージ・マクガヴァンの大統領候補の選挙応援コンサートにS&Gを再結成し、参加して話題になりました。
 
 最初の詩がカットされているのが残念ですが、二人がディオ・スタイルで歌っている貴重なライブ・バージョンです。

 〇「明日に架ける橋」Simon & Garfunkel - Bridge Over Troubled Water (Audio)

   

 

 

   https://www.youtube.com/watch?v=4G-YQA_bsOU
   
 ここでポールは逆巻く水(トラブルが満ち溢れる水)に架ける橋になると、書いています。
 これが友人だけにあてた詩ならばそれで成立すると思います。
 もっと広く、うなだれる人々、そうベトナム戦争で傷つく人々に対してなら、理想的ではありますが、それは楽観的ではないでしょうか。
 (理想的であるから、今も人々の心の中に生き続ける歌ではありますが。)

 それを気づいての先に紹介した『平和の流れる街』『休戦記念日』ではないでしょうか? 
 『平和の流れる街』で自分に夢想的であると考え、一歩進んで、国会議員に「休戦記念日」を訴える、「行動する」詩人となっています。

 そんな繋がりが有るのではないかと僕は勝手に想像します。

3.アルバム「パセリ セージ ローズマリー &  

 タイム」(1966年発表)

 


 反戦に関して、ポールの過去に遡るなら、『明日に架ける橋』(1970年発表)の2作前にアルバム「「パセリ セージ ローズマリー & タイム」(リンク)で『スカボローフェア/詠唱』『7時のニュース/きよしこの夜」、を書いています。

先ほども書きましたが、『明日に架ける橋』の逆巻く水の一つがヴェトナム戦争であり、それを乗り越えことろに、平和があるのではないでしょうか。

その悲惨の戦争については、アルバム「パセリ セージ ローズマリー & タイム」で書きましたのでそちらをご覧ください。
今回は曲のみをお届けします。


●スカボローフェア 
〇スカボローフェア (サイモン&ガーファンクル. アンディ・ウィリアムス)
 

 

 

 https://www.youtube.com/watch?v=pdy3fv4ytJI
 
 アンディ・ウイリアムズが参加することで、デュオ構成のS&Gのコンサートでは、披露していない、レコードと同じ詞の構成になっています。
美しい民謡「スカボロー・フェア」に絡ませた戦争の現実。

●7時のニュース
〇7時のニュース

 こちらは厳かな「きよしこの夜」に乗せて、多くのニュースを配信しています。 

こちらも以前書いたブログ「パセリ セージ ローズマリー & タイム Part2」をご参照ください。

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=9-KT4OW_A8E

 

4..国連スピーチ

 最後に、世界的に有名なチェリストのパブロ・カザルスが、1971年に国連でスピーチをし、演奏したのを思い出しました。

 

カザルスは言います。
カタロニアでは、鳥は空で「ピース」「ピース」と鳴きます。

 

 スピーチと「鳥の歌」の演奏を見てみましょう。

 〇カザルス「鳥の歌」1971国連 スピーチ

  

 

 


 https://www.youtube.com/watch?v=3umVAHJNUKE

 〇カザルス「鳥の歌」1971国連

  

 

 


 https://www.youtube.com/watch?v=ZGvH4qG50XU




皆様は、今回のロシアのウクライナ侵略について、どうお考えでしょうか?