ウルトラQ | 懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

懐かしエッセイ 輝ける時代たち(シーズンズ)

懐かしい’60s’70s’80s
ひときわ輝いていたあの時代の思い出のエッセイ集です。
毎週土曜日更新予定です。


プチ・フェアリが綴る ’60s~ 懐かしエッセイ集  幼い頃、怪獣といえばゴジラやキング・コングくらいだったろうか? 
そんな頃、毎週怪獣が見られる番組ということで大人気だったのがウルトラQだ。
当時、大流行した体操の「ウルトラC」が名前の由来だったらしいが、ウルトラQとウルトラマンの大ヒットのおかげで、以後「ウルトラ」という名前は円谷の専売特許になった。


 さて、番組の内容はというと、当方も幼かったので記憶がかなり曖昧な部分がある。
それでも心の奥底まで鮮烈な印象を残したのは間違いない事実で、断片的だが強烈なイメージが残っている。
最近はケーブル・テレビでもよく再放送されているのでいくつか見たが、印象的なシーンだけははっきり覚えていた。
さすがに特撮は古く、時代を感じさせるが、ハッとさせるシーンがあるし、ストーリーもおもしろいものが多い。
例を挙げると、ケムール人がパトカーに追われて逃走するシーンはとても斬新なアングルだし、任務に失敗した宇宙人が同胞にレーザーで焼き殺されるところもショッキングだった。
白黒映像がとても怪談的不気味さをかもし出していた。


 そういえば子供の時はとても怖がりながら番組を見ていたのを思い出した。
怪獣といっても毎回、身長40メートルの巨大怪獣が出てくるわけではなく、いろいろなサイズの怪獣、怪人が登場した。
子供の私には大怪獣よりむしろ等身大の怪物が恐ろしかった。
たとえばラゴンが夜道を徘徊して人を襲ったり、家屋に侵入して大暴れしたり、ケムール人にさらわれて生身の身体を奪われたり、などなどである。


 等身大の怪物は今夜にでも我が家に現れるのではないかという恐怖が感じられたのだ。
だから1人で夜道を歩く時は怖かったし、水たまりに足を踏み入れるとたちまちケムール人に足を引っ張られ拉致されるのではないかと怯えていたものである(その頃は道路が悪く、水たまりが多かった)。


プチ・フェアリが綴る ’60s~ 懐かしエッセイ集  当時の人気怪獣といえばガラモン、カネゴン、ペギラ、ラゴンといったところだろうか? 
うちの小学校ではペギラがいちばん人気があった。
だから再登場して今度は東京に襲来すると聞いたときは大いに盛りあがったものである。


 個人的にはバルンガがお気に入りだった。
バルンガはあらゆるエネルギーをどんどん吸収するたびに巨大化してついに人類の手には負えなくなった。
最後には太陽を飲み込もうと宇宙に旅立っていくという壮大なストーリーで、未解決のまま終了し、エンディングのナレーション「朝、あなたが目覚めた時、空に見えるのは太陽かそれとも……」というのが実に不気味だった。


 ところで怪獣のネーミングは原型の動物等の名前の語尾にゴン、モン、ラーをつけることが多かった。
つまり○○ゴン、△△ラーというふうにすれば怪獣が1匹出来上がり、というわけだ。
だから子供たちも自分の考えたオリジナル怪獣にそういう命名をした。
画用紙に架空の怪獣の絵を描いて、ベースがカニならカニゴンだし、ヘビならヘビラーといった具合だった。


 不可思議な物語や未解決のまま終わる事件も多く、ストーリーが秀逸だったので当時の大人も子供といっしょに見てハマッた人が多かったのではないだろうか? 
この番組のリメイクを作って欲しいと思っていたらすでにいくつか存在しているらしいので驚いた。この次はぜひCGではなく昔風の特撮でリメイク版を作って欲しいものだ。


 新リメイク版の脚本はリアル世代だった50代の人たちから募集したらどうだろうか?
私だったらこんな話を書くだろう。
例の太陽へ旅立ったバルンガが、地球のパソコンが放つ大量の電磁波に惹かれて再び舞い戻ってくる話とか、拝金主義のIT企業の若い社長達がカネゴンに変身してしまい、その膨大な財産を食い尽くして大量餓死してしまう。
これを見て人々は、正直に生きるのがいちばんだと目覚めて古き良き日本に戻る話(笑)などなど…… 
少年時代に戻ってあれこれ想像するというのもなかなか楽しいものである。


KAITO
2010.4.23発表

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管理人のKAITO(海渡)です。


ウルトラQは日本初の特撮テレビ番組でした。
なんと平均視聴率が30%を超えるお化け番組で怪獣ブームの火付け役となりました。
カネゴン、ペギラ、ガラモンなどの怪獣は時代を超えて、現役で生き続けているのではないでしょうか?


プチ・フェアリが綴る ’60s~ 懐かしエッセイ集 白黒作品でしたが、色をつけた総天然色版が最近登場しましたね。
いっぺん見てみたいですが、白黒ならではの良さというのもあるんですよね。
迫力というか不気味さが倍増するような気がします。


オススメ動画はやはりケムール人でしょう。
本文に書かれているパトカーに追われる例のアングルが見られます。
逃走するケムール人  ←←文字クリックでyoutube動画に飛びます。


それではまた明日。



★当ブログはシュガ・プラム・フェアリ というサイトの中の「懐かしエッセイ」を読みやすい形に再編集したものです。
執筆者は私(KAITO)とKUMAMO、ABBYの3名がおりましてそれぞれ気ままに60年代以降の昭和の思い出をエッセイとして綴っています。
(プロフィール欄をご覧くださいませ)
記憶違いや思い込み、うろ覚えで書いたものもあります。
ご理解いただいたうえ、お読みいただければと思います。
また、このような性質のエッセイですので、記述に誤り等ございましたらご指摘いただけると幸いです。

☆ブログ・タイトルの「プチ・フェアリ」の意味ですが、親サイトをはじめ関連サイト名にすべて「フェアリ(妖精)」が含まれており、その中から派生した個人サイトということで「プチ(小さい)・フェアリ」と命名いたしました。

*当エッセイは日曜以外はほぼ毎日更新させていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。