こういう感覚は 海の底 に似ている。
知り合いがいないフランスへ一人で行って、
出会う人、出会う人が自分の人生には初めての人たちで、
暫くの間は、正直言って、
本気で話せる人っていなかった。
自分との対話が続いた。
周りの人たちと付き合っていきながら
だんだんと、少しずつ自分が変わっていくのを感じた。
あんまり怒らなくなった。
周りがすぐ怒っても、私はあんまり怒りを感じなかったり。
すこし忍耐強くなった気がした。
で、気がついた。
周りの人たちの怒りを私が食べて、
やさしい気持ちにしてあげられるようになりたいと。
怒るってことも、時には必要なのかもしれないけど、
いろんな人がいる。
自分の思うとおりにならないこともある。
もし、私に話かけてきた人が怒っていたり、愚痴ってきたりしたら
全て吸収してあげれるような人間になりたいな。
歳をとれば、少し落着いた感じになるのかもしれないけれど、
誰も知らない土地で、一人で暮らしたあの一年が
ほんの少し自分を変えさせたような気がする。
こういう感覚は 海の底 に似ている。