ともに泣くことの愉しさほど人々の心を結びつけるものはない。
ジャン・ジャック・ルソー（フランス、作家・啓蒙思想家）
[所感]
人との関わりの中で、共に喜び、共に苦しみ、共に悲しむということがあります。そんな中で、喜びを共にすることは容易く出来ることでしょう。しかし、共に苦しんだり、共に悲しむということはなかなか出来ないものです。
特に、悲しみは他の喜怒哀楽よりも強く人の琴線に触れます。かつての学生は、共同生活を営み苦楽を共にし、お互いの気持ちを通わせたものです。しかし、豊かな現代社会では、その様な機会も少なくなっているのではないでしょうか。
苦楽を共にするということは、お互いに助け合いの精神がなければなりません。昨今の世の中を見ると、観念的学問や知識の習得が多く、人や自然との関わりの中で汗を流し、その中で喜び、苦しみ、悲しみ等を経験する機会を失いつつあるように思います。
自分の権利主張はするが、相手の立場に立って行動する人が少なくなってきているのもその様な世相を反映してでしょう。人の痛みや悲しみが分かる人間になりたいものです。