★温泉地チュリン1
温泉行きませんか ―いこっか。
金曜の夜、ふと思いついたことをすぐ口に出したらオッケーが出て、早速翌日土曜の朝
そのチュリンという町はリマからバスでおよそ6時間。
200kmほど北にある山あいの温泉地。
今回のお供はペルー在住日本人濃いHP所有者四天王のうちの一人、
マジックボーイさん。
二人ともチュリンについて
・温泉がある
・山にある
ぐらいしか知らずに出かけましたが、途中でチュリンに向かう地元のおばちゃんを拾い、
色々と話を聞きます。
―あれはやっぱり墓標なんですか?やけに多いけど。
「あれはね、『カーブだから気をつけて』という目印です」
そおか、そういえばあれを見たらみんな気をつける…って、つけるかなあ…。つけねえだろうなあ。
おばちゃんに
中央広場近くのChaloquitoというレストランが町一番であること、
ホテルはピンきりたくさんあること、温泉も山ほどあることなどを聞きます。
悪路により外界から遮断されたこういう観光地のいいところは
物価が安いこと、人がすれてないこと、白人観光客が少ないこと。
MagicBoyさんは駐在員で、ペルーで日本人の給料をもらってる、
札束びんたをしようと思えばできるご身分。
僕は安…(以下省略)。
ホテルもたぶん250ソルくらいの5つ星しか泊まらないんだろうなあ。
車だしてもらってるから、僕も合わせて五つ星に泊まらないといけないかなあ。
俺は15ソルくらいのところでいいんだけどなあ。なんて考えていると
「かんちゃんだったらやっぱり5ソル(150円)くらいの安宿に泊まるんでしょ」
って、なんか目ぇ輝かしてるし。
イヤ僕もね、お金があればええとこ泊まりたいんすよホンマは。
中央広場に面した町の最高級ホテル、Amazonasをあたる。
町で最高のホテルだけど二つ星とはこれいかに。
かなりきれいな防音設備の整ったツインの部屋で、40ソル(1200円)とは驚きのプライス。
例のレストランで10ソル激ウマますのフライを食べ、クイをほおばるMagicBoyさんを残し町を歩いていると、
男の子が付いてきて、なんかぼそぼそ言ってる。
「・・・Colmo・・・」
―は?
「・・・・・Colmo」
―なんや、自分何が言いたいん。
「・・Colmo・・・・・」
何べん聞き返しても下を向いてぼそぼそ行ってるだけ。聞き取れるのはColmoという単語だけ。
埒が明かないのでほっといて進む。しかし、ついてくる。
仕方ないので中央広場に座り話しを聞く。
―あんな、自分な、いうてることわかれへんねん。何かを人に伝えたかったら簡単や。
ゆっくり、大きな声でしゃべれ。練習しよっか。自分名前なんて言うんや。
「ヘスス」
―ええ名前やんけ。ほら、練習するで。 ぼ く の な ま え は へ す す で す 。いうてみ。
「ぼ・・へ・・」
―あかんやんけえ。ゆっくりでええねん。早く言うより簡単やで。
そんなやり取りをしてると子供達がわらわらと集まってくる。
「せやせや、おまえ声ちっちゃいねんってえ」
気の弱いヘススは友達連中に責められて少しいじけてしまった。
ジャスミンとケリーの通訳で、ヘススが僕にクイズを出したがってたことがわかった。
小遣いがほしいわけじゃなかったんだ。
Colmoというのは子供達がクイズに良く使う単語で、「極み、極端」クイズでは転じて
「一番~なもの」という意味を持つ。ヘススのクイズは
「ビルの50階までグーンとのぼって、それからドーンと落ちてくる、一番頭のおかしいものはなーんだ」
…おぼえたばかりで使いたいんだろうねえ (^_^)。子供の数は、八人くらいになった。
「ジャスミンはアブランと結婚するんだよー」
―結婚すんねやー。結婚して、10人子供を作って、100人孫ができたりするんやでー。
「きゃはははは、イヤだぁーー」
そんなことをしてる間に一時間過ぎ、夜もふける。
急ぎ足で行った温泉はなかなかのもの。38度という表示があったのに、
計ると45度。サバ読みすぎ \(- - )。
しかしいい湯だ。もちろん星もきれいで…(省略)。
夜町を歩いていると、早速子供達が声をかけてくる。
「カン!どこいくの?」
グッとこの町に親しみが増したように感じる。