引越しも無事終わり、なんとなくこの街での暮らしになじんできた。

しかし、人間やろうと思えばできるもんなんだと思う。

以前のところと比べると半分以上、ものを処分してきたわけだけど、

今の住まいの収納は、おもったよりもたっぷりで、「このもの、どうしよう??」ということにはならなかった。


本当にこじんまりした3Kだから、

前のように、がしがしと歩けるわけじゃない。

それに、ちょっと気を抜くと部屋が乱雑になるので、せっせと片づけることになる。


私はどちらかというと、ものをあんまり持ちたくない派。

家の男は、なんでも取っておく派。

クローゼットが断然狭くなるので、私は自分の服をあらかた処分したのに比べて、

彼は、冬ものジャケットだけでも10着はくだらない。Yシャツも20枚近くあったし、

下着、靴下もそれはたくさんもっている。

下着を処分しろといったら、「僕の大事なところをカバーしてきて役に立つこの下着よりも、その本のほうが大事だというのか!!」と言われた。

「ああ、そうだよ、貴様の下着はお金を産まないけれど、この本はブックオフに売るとお金になるし」と応酬。

処分ものの選択や、新居でのレイアウトなどなど、毎日喧嘩上等だ。


まあ、いいところでもあるけれど、

男が家のことでうじゃうじゃ言うなとマジで思う。

ほっといても、家事やら子供の世話やらやってくれるのは感謝だけれど、

基本的に、家の采配は全部自分でやりたい人なので、

そのあたり、実にめんどくさい。


とくに、引越しにいたっては、

今回、日本の専門業者のすごさを目の当たりにして感激していた。

冷蔵庫はどうやって運ぶんだとか、妙なことを気にする家の男。

「まかせておけばいいんだよ、ほっとけば。素人が口出したら迷惑だから」といっても聞かなくて、

段ボールをどうやってトラックに積めるかまで、打ち合わせ用とした男。


しかし、彼らの超人的なはたらっきりブリをみて・・


お母さんが、荷物の見張り番に行かなくちゃと言っていたけど、

日本で、引越し業者が客の荷物を盗むって、それはすごく大変なことですからとお断り。

まあ、ない話じゃないけれど、うちは取られて困るような高価なものはないし、

30万以上のものは、保険加入するみたいで、それもうちは縁なし。



本当に、この先どうなるかと思っていた矢先、

いろいろな人に助けてもらって、引越しすることができた。

思いがけずに移住したこの街だけれど、私たちはとても気に入っている。


少しばかり余裕ができたので、

前から心に決めていたところへ、わずかばかりだけれど寄付することにした。

遠くボリビアで現地のハンディのある子供たちのために、自立支援のホーム「聖マルティンの家 」だ。

なぜ、ペルーではなくて、ボリビアとも思うけれど、

ペルーには、日本人の支援団体もいろいろあるので。

家の男が通っていた病院に置いてあったパンフレットを読んでから、ずっと考えていた。


子供も一人成人したし、あと一人は今年セクンダリアを卒業だ。

私たちの子育ても終わりに近づいてきている。

本当にささやかだけれど、ほんの少しだけちょっとした余裕を役立出せることができたらと思う。